万長酒場
店主曰く、「居酒屋は男の喫茶店」で、あるべき
親父さんのあとを継いで早20年。南座から役者さんたちが訪れるかと思えば、観光客の一見さんも顔を覗かせる。そんな「万長酒場」の1号店は、実は山科だったという。現在の店が2号店、3号店は大津に構えた。今となっては、山科と大津はのれん分けを済ませ、先代の弟子がそれぞれ切り盛りしているとか。3店舗の共通点は、と頭を捻れば…「店出すなら、特急停車駅に」が、先代の考えだったという答え。JRなら新快速の停車駅というわけだ。「駅に近い」という要素は、一杯呑み屋として、確かに重要なポイントのひとつだろう。そして、次に滞在時間「1時間か1時間半か、酒場なんてそんなもんでえぇんやで」と店主。
背もたれもなく、小さな椅子が並ぶのも頷ける。さらには、「人気の席」と太鼓判を押すのが、この手の酒場には珍しい禁煙席。入口近くの5席限定で、指名で予約する常客もいるという。とはいえ、「ふらっと入って好きに呑めるのが酒場」と、またもやご指南。それでも、たまに予約の電話が鳴ることも。「いまから新幹線に乗ります!」と東京から、果ては「予約してないんですが、行ってもいいですか?」とシドニーから。その都度、「予約なんかせんでもえぇがな(笑)」と笑い飛ばす。極めつけが、「居酒屋は男の逃げ場やからなぁ」としみじみ。その言葉に、常客数人が黙って頷く。「まぁ、おばちゃんらの喫茶店みたいなもんや」と。世の飲兵衛な女性よ、彼らの逃げ場を荒らさぬ程度に侵出を。
「京都で一番美味しい おぼろ豆腐」210円は、数々の有名店の商品との食べくらべを勝ち抜き、長年愛されている一品。寒さが身に染みるころには「湯豆腐」367円もいい。「日替り三点盛り」525円
■京都市左京区川端通三条上ル
■075・761・0101
■17:00~24:00/日祝休
【平均予算】1500円
-京都CF!2009年1月号 –
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