薪をくべる土窯に出会って
使ってみたくて独立を決意

15年ほど前にアルバイトで何気なく入った「ドンク」で、パンづくりの面白さに目覚めた。「イル・パッパラルド」でパンを焼いていたとき、オーナーの知人が大阪で窯をつくっていることを知った。「その窯で焼いたらどんなふうにできるんだろう？」と、湧き上がった好奇心は留まるところを知らず、窯を使うためには独立するしかないと思い至ったのが7年前。それから一途に、毎日楽しくパンを焼き続け、気づけば1カ月先まで予約が埋まる食パンを焼く職人に。ひとりでパンを焼くのに人通りの多い場所は無理だからと荒神口に店を構えたくらいの謙虚さ、発酵進度が早いため８月中休むという職人気質が、多くの人を魅了する彼女らしさだろう。

「電気やガスの窯より火の通りがよく、同じレシピでも出来上がりが違うのが面白い」と、愛する土窯を語る目がやさしい。温めるのに時間を要するのが難点ではあるが、休みの日でも様子を見にくるほど大切な相棒だとか

京都市上京区河原町通荒神口下ル
上生洲町229-1
075･213･7555
11:00〜20:00／水木、8月休

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