元町ラーメン
京都のラーメン通に、聞きました!
街場エディター
元橋一裕 さん
本誌前編集長。
現在は京都を最も知る編集プロダクション「Tiki Script」で代表を務める。
同類他誌のネタ元にもされた本誌の、数々のラーメン特集を取り仕切ってきた張本人。
息子がつくる「平成の味」が「昭和の味」の名店をつくる
創業は本誌よりも古く、約40 年前。
現在も油小路下長者町下ルで営む二代目の元町ラーメンは「昔ながらの濃いぃ醤油、まさに昭和の味」である。
その味を持って三代目が西京極に来て2 年が経とうとしている。
そして営む中で気付いたことがひとつある。
それは「この辺りは家族連れが多い。
父から受け継いだ味だと子供とか女性には濃すぎた」ということ。
そこで三代目は現代風に味をアップデイト。
3 段階で行っていたガラの処理を5 段階に増やしてガラの匂いを消したり、白醤油を使ってやさしい味のラーメンをつくった。
今は出したい父の味ではなく、来る客に合わせた一杯を提供している。
だが「僕のつくる『平成の味』を食べている人も、時を重ねれば父から受け継いだ『昭和の味』を美味しく食べてくれる」と信じている。
それは昭和中期の高度経済成長期フリークの元橋さんも同じ思いだろう。