須賀神社節分祭で恋愛成就を願う「懸想文」に「豆茶」と「須賀多餅」
節分に東山区聖護院門跡斜め向いにある須賀神社へ出かけると、「懸想文」に「豆茶」に「須賀多餅」が授かれることをご存知だろうか。
豆まきの豆が入った「豆茶」である。塩味が少しきいている。
「須賀多餅」は、あっさりとした柚子味で、おいしゅうござる。
これを知る人は京都通の中でも通であろう。
そもそも「懸想文」に纏わる謂われは・・・
こんなご利益があるというのだ。
この「懸想文」を人知れず鏡台や箪笥の中に入れておけば 顔かたちが美しくなり、着物の数が増え、良縁に恵まれるという。
懸想文(けそうぶみ)とは、今で言う「ラブレター」のことである。 江戸時代、徳川幕府の朝廷・公家の統制により、禁裏の勝手向きは苦しいものがあった。 禁裏御料でさえ十万石しか与えられていないのである。 下級公家の生活など、推して知るべしである。 そこで、恋文の代筆業が生業とするものが現れたのである。
「懸想文売り」は、平安時代からの風習だという説もあるが、 江戸時代初期頃は、生活に窮した下級の公家たちの内職の一つで、 古文や和歌などの素養がちりばめられた「懸想文」は、年頃の娘達に支持を得たようである。
良縁に恵まれた娘達の口から口へと、噂はたちまちに広まったそうである。
人気を得た懸想文売りは、さぞイケメンだろうと思いきや・・・・・
おっとどっこい、このように顔を隠しているのだ。
公卿の身であるゆえ、素性が気取られぬようにと、 白布の覆面で顔を覆わなくてはならなかったのである。
そんなこんなで、梅の花が咲く頃になると、京の都に現れ生業としていという。
春日北通を東に向いていくと、左手が聖護院門跡で、 そこを黒谷さんの山門の方に向かって50メートルほどいった右手である。
「烏帽子に水干姿で覆面をし、懸想文を結んだ梅の枝をかついだ懸想文売り」
その姿が・・・これである。
節分の間中なら、須賀神社で会うことができる。
- 須賀神社
- 日時
- 2月2日~3日
2/2 14:00~ 奉納演舞・翁と媼による追儺招福豆撒(福引籤付)
2/2, 2/3 9:00~20:00 懸想文授与(1,000円) - 場所
- 京都市左京区聖護院円頓美町一
市バス 熊野神社下車 徒歩約5分 - tel
- 075-771-1178