7月10日は荒縄の芸術が見られるぞ/ 祇園祭鉾建て
祭りのハレの空気が、夏の京の大路小路を取り巻こうとしている。
お客様を迎える余所行きの顔になる前の支度である。
前掛け胴掛け見送りなど、豪華な懸装品を纏うのも、
鉾に駒形提灯が灯るのも、も少し後だ。
明日は、鉾の骨組みを行い、露わな姿を見せることになる。
「胴倒し」、「鉾起こし」などの鉾建てを、誰でも間近に見ることが出来る。
胴組みが倒され、真木が取り付け当てられた。
倒された状態で空上に伸びているのは「てこ」の部分である。昔も今もこの梃子をつける技法は変わらない。
鉾先も付けられ、高さ25メートルの鉾の骨組みが引き起こされ始める。
ゆっくりと慎重に引き上げられている。4本足の2本は滑らぬように、地面に括り付けられている。
梃子と太い縄(ロープ)を人力で引き起こす技法は変わっていない。
人海戦術で引っ張っていたものが、手動ウインチを使うようになっただけである。
人海戦術で引っ張っていたものが、手動ウインチを使うようになっただけである。
四本の足が着地するまでは、
ゆっくりと、様子を伺いながら、引き上げられている。
ゆっくりと、様子を伺いながら、引き上げられている。
ハレの舞台には、常に黒子がいて、黒子の良し悪しで舞台は決まるといわれる。
黒子は決して表にはでず、縁の下ての力持ちであって、良い舞台を演出するとも言われている。
それが分を知り、分を生きがいとし、全うする職人気質なのである。
これぞ、玄人なのだ。
黒子は決して表にはでず、縁の下ての力持ちであって、良い舞台を演出するとも言われている。
それが分を知り、分を生きがいとし、全うする職人気質なのである。
これぞ、玄人なのだ。
祇園祭の玄人の一人が 彼らではないだろうか。
日本三大祭のひとつ、祇園祭。
ここにも京文化の有り様の一旦が覗われる。