神輿洗奉告祭の宮出し境内
おむかえ提灯が石段下を出て、暫く経った頃、八坂神社に向かう四若神輿会の男衆を見た。
7月10日午後5時過ぎのことである。
神輿庫から三座の神輿が次々と運び出されている。
最初に出された中御座神輿は南門に置かれ、神輿には東御座の担ぎ棒が取り付けられた。
手際よく神輿洗への段取りを進める四若の法被の男衆を見守る姿があった。
三若神輿会の幹部の姿である。
そのお供には、三若祇藤会や三若次朗会など三若みこし会の顔ぶれも揃っていた。
東御座、西御座が拝殿にあげられると、
神輿洗奉告祭を終えた長老役員が本殿から降りてきた。
東御座とその子供神輿の若御座を四若の男衆が、
西御座は四若の法被を着た錦神輿会の男衆数人が、それぞれの神輿の飾りつけを始めた。
本殿前には、道調べの儀に担がれる大松明が用意され、四若の会旗が棚引く。
そして、前庭では、紋付き、袴の正装で居並ぶ宮本組の組員のお祓いが行われていた。
神輿洗の役割分担、棲み分けが見えた。
顔見知りの三若の担ぎ手に声を掛けてみた。
もう舁きたくて舁きたくて仕様がなさそうである。
しかし、今日はお供に徹さなければならないと、自らに言い聞かせているようであった。
兎に角、17日が待ち遠しいと言うのだ。
祇藤会の高倉小学校での練習、三若の円山公園での全体練習を見てきただけに、
分からないではなかった。
そうこうしていると、本殿のオケラ火から大松明に点火され、
炎をあげる大松明は担がれ、南門を出たのである。
南門から神幸道を下り、東山通に出て、 四条通を練る大松明の隊列が整えられた。