大根焚寺 / このおでんを 大根焚き と呼ぶのか!?
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福王子の交差点を高雄(周山街道)に取ると、幟が目に入っきた。
朝陽を浴びた甍が光っている。昨夜の天気予報では雨だったのが、一転この陽気に恵まれた。
親鸞聖人の報恩講の日に相応しい日和である。明後日の天気は大丈夫だろうか。
参道の露天には、干し柿や焼き芋、よもぎだんごなどを売る店も出ている。人懐こい笑顔を持った商人達である。
歩を進めると、了徳寺の前につく。
なんと、その門の前の石碑には「大根焚寺」と刻まれている。
京都府京都市右京区鳴滝本町83
約七百五十年前、この地へ来られた親鸞聖人は村人から塩味の大根焚を施してもらった。その親切に大変喜ばれ、庭にあったすすききの穂を手に取り、「帰命尽十方無碍光如来」の十字を記された。村人はその『すすきの名号』を徳として、毎年報恩講を行うようになり、施したおばんざいが『大根焚』の名で世に知られるようになったという。
帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)
「阿弥陀如来に身を委ね、心のよりどころとする」の意
さて、境内に足を踏み入れた。
釜場がある。おくどさんだ。
右端の上の写真をClickしてみると・・・おでんでないことがわかる。
風呂吹き大根でもない。この煮炊きは豪快である。
早朝より、大鍋での焚込みを始め、二日間に一万人の参拝者に振る舞われているというその味付けは、塩と醤油のみのシンプルなものである。
勿論、本堂の親鸞聖人に供えられるのは、昔ながらの塩味だけのものされている。
これが大根焚きである。
大根の葉を捨てる訳はない。大根の葉のおしたしにして、お斎(おとき)と呼ばれる精進弁当に使われている。
庫裏の中外問わず、表の釜場は勿論その隣でも、裏庭でも、湯気をあげ炊きあげられている。大勢の奉仕の門徒の方々が分担して大わらわである。
一方、参詣者はというと・・・・・
門を潜って、直ぐ左の帳場で、引換券を頂きお布施を納める。
少々お高いように思うのは小生だけではない。
しかし、これも食堂へきているわけではないので、有り難くお布施と心得ることが肝心。
そして、本堂に上がりお参りし、引換券を奉仕員に手渡し、好きな場所に着座し、所望の品を待つ。
現代社会ではどこもそうで致し方がないが、社寺での振舞いや授与のいいシステムがないものだろうか。
今日の大根焚きの様子を見て、親鸞聖人は、どう思っていられるであろう。
だいこだきを頂いて、本格的な冬を迎えるが、無病息災に過ごせることを願った。
11時からは、住職による法要と講話をお聞きし、その後、親鸞聖人のすすき塚を拝見し帰路についた。
鳴滝の半日は長閑である。
これが、大根焚寺の様子だったのだが、久々に出かけてみようと思う。
皆さんも、12月9日10日に大根焚寺へお出かけになると良い。
京の大根焚き一覧・・・http://kyotocf.com/?p=46181