京わらび餅
本わらび餅のワラビ粉はグラム1500円以上もする
夏菓子を記しているなかで、とうとう「わらび餅」をあげない訳にはいかなくなった。
お取り寄せランキングでわらび餅を調べてみると、実に様々な結果がて゜ている。
わらび粉の名産である奈良には頷いたが、大阪の貴船神社の水使用には少々戸惑った。
インターネットランキングの特徴なのか意外な結果だった。
確かに京都の「京みずは」は、TVや雑誌の取り上げでのメディア戦略が功をなし、また、それに応えた商品開発がされている。更に頑張って貰い、京都スィーツの一大ブームを引き起こして貰いたいものだ。
小生の「わらび餅」というと、既に言い尽くされているが、「老松嵐山店の本わらび餅」「高台寺 洛匠の草わらび餅」「文の助茶屋のわらび餅」「紫野 茶洛の京わらび餅」「妙心寺北門前の 三河屋 のわらび餅」である。
いずれも各々が一線を画した個性を持ち、他と違うバリエーションが見られる。
所謂記号化されたわらび餅なのである。おまけに1パック500円位から1200円位と価格での選り好みが少なく人気も平均化している。
そこにきて、昨今確かに「わらび餅」は騒がしい。
「ぎおん徳屋の本わらび餅」はとろとろに柔らかく、氷水の中から箸で摘むと伸び溶けそうになり、わらびの香りが口の中に一気に広がりとろけてゆく食感なのだ。勿論店で注文を聞いてからでしか作らない。老松の本わらび餅より少し安く1200円也(平成27年現在)。嵐山吉兆の料理人の手による甘味処との鳴り物入りで話によく上る。
それに加えて出てくる話ネタが、「西陣近為のわらび餅」の限定日販売だ。
何やら、東京深川のお茶漬け席の近くに2号店があって、そこで、毎月1日、15日、28日にだけ販売し好評を得ているという話を聞いた。
「西陣 近為」は京漬物屋さんで、ここの漬物は京都人にも人気が高く、京料理屋さんで使っているところも多い。ぶぶ漬け席を設け出してからの出店攻勢だが、北鎌倉でわらび餅やくず餅の甘味も扱うようになったのは聞いていたが、東京深川での展開も注目を浴びだしているようだ。
騒がしくなってきたわらび餅だが、世間に出回っているわらび餅はじゃが芋等の澱粉を使ったり、わらび粉とのミックス粉であることが多い。
そこで、わらびの澱粉だけを使っているものを、わざわざ「本わらび餅」と呼ぶ。
その茎、根から採られたわらび粉の粘りや滑らかさの舌触りは格別で、わらびの香りと共に一度食すると、他をわらび餅と呼べなくなる。
葛餅の葛粉となる葛の根に比べて更に少量しか粉が採れず、わらび粉は希少価値の高い高級食材で、キロ当たり相場で一万五千円以上の値段で、三万円もするものまであると聞き及ぶ。
醍醐天皇が好んだと言われるわらび餅も、凶作に見舞われた折の農家の非常食だったという。
東海道中五十三次では茶店名物の菓子として登場し、「わらびーもちぃ」の掛け声は夏の風物詩でもある。
そして今や、京都スイーツとしてブランド化しつつある。
ぎおん徳屋
http://gion-tokuya.jp/
近為
http://www.kintame.co.jp/
和菓子の定番スイーツ わらび餅の美味しいお店5選(食べログ)
https://tabelog.com/matome/1055/
老松の本わらび餅
http://oimatu.co.jp/
高台寺 洛匠の草わらび餅
http://www.rakusyou.co.jp/
文の助茶屋のわらび餅
http://www.bunnosuke.jp/
紫野 茶洛の京わらび餅 (all about)
http://allabout.co.jp/travel/travelkyoto/closeup/CU20020811A/
妙心寺北門前 三河屋のわらび餅
http://www.myoushinji-mae-mikawaya.biz/syokai.html