ふじとつつじ
京都市一般公開で黄金週間を過ごす
いよいよ黄金週間に突入する。
いかにお過ごしになられるであろうか。
小生は、混雑を避けた普段の京都をピックアップし、いかにリーズナブルに楽しむかをキーワードにメニューを組み、行楽を始めたい。
初日は、長岡天満宮は八条ケ池にキリシマツツジを観に訪れた。
池端を取り囲み、八条ケ池を抱き包むように周囲1キロに及んで連なる鮮やかな赤は、青い空の下で眩いひかりを跳ね返している。そのキリシマツツジを守るかのように、池土手まわりには平戸つつじが、白にピンクに紫にと色とりどりに咲き乱れていた。
池中央辺りの東側石段の上に立つ大鳥居からは、整然と一直線に二つの列を成した回廊が続いている。背丈を優に越す赤は、まるで屏風を左右に配したかのようで、足下には石畳が敷かれ、天満宮の林へと続いている。
その回廊は袖が擦りあうほどの幅で、行く手に目をやると、赤が早く太鼓橋までおいでと、手招きしているように見える。途中、往路を振り向き、天空に伸びる鳥居を仰ぐと、さぁ天神さんまでお急ぎと、後ろの赤に背中を押される心地である。
樹齢130年と聞く約100株の鮮やかな紅色の回廊参詣道は、長岡京市の指定天然記念物となっており、八条ケ池の中堤に70メートル続き、石の太鼓橋や総檜の水上橋とともに市民の憩いの場となっている。
この日は「春の観光まつり」、「献果祭」が催されていて、露店屋台や産地野菜販売、和菓子販売などがあり、常より一層賑わっていた。
帰り際に、粘土つき西山産朝掘り竹の子の2キロ級一本と「竹の子最中」を買いもとめた。
「竹の子最中」は竹の子の形を模しているだけではなかった。餡の中に、ほんものの竹の子が入っており、シャキッと確かな歯応えを感じ、なかなかイケルものである。
二日目はというと、「鳥羽の藤」を目指した。ニュースソースは市民広報誌である。
「平等院の藤」に次ぐ京都名所のひとつになっているようだ。
この度の5日間の公開では、ヤマフジ-シロカピタン2本、ノダフジ-ナガフジ29本とシロバナフジ6本を花見させて貰った。
長さ120メートルに及ぶ藤回廊の花々は、陽光に応えながら、時に濃く時に薄く紫を変化させている。
時折吹き抜ける風に垂れ下がった花房を棚引かせ、まばゆい光線をあたりに放ち、その煌きはまるでアメジストの詰まった宝石箱のようであった。
入場無料の上に、災害用備蓄飲料水「疎水物語」までも頂き、スタンプラリーでは「台所用水切り」を貰い、施設内の見学までさせて貰った。
「鳥羽の藤」が何処かといえば、南区上鳥羽の「鳥羽水環境保全センター」の一般公開である。
足場の良くないこの場所へは、京都駅八条口から、直行無料送迎バスが用意されていた。
休日にも関わらず、上下水道局の総務課職員らしきスタッフが、丁寧にかつ至れり尽くせりで、受付案内警備に当っていた。
それは「判で押したような役人」の域をはるかに超えた姿であり、百貨店の催事販売の会場にひけを取らないものであった。
不祥事続きで、「嫌な行政京都市役所」のレッテルを一枚外さなければならないと思った。
ほんとにご苦労様でした。有難う。感謝一念。
更に、京都市上下水道局の企画するつつじの一般公開が、5月3日から7日まで行われる。「蹴上浄水場一般公開」である。蹴上の行き交いに眺める、あのつつじの中に埋もれてみるのも一興である。
春の特別公開で観光客とせめぎ合うよりも、一般公開に拘り黄金週間の行楽を送ることにしたい。
開花情報 (長岡天満宮)
http://www.nagaokatenmangu.or.jp/flower/
蹴上のつつじ・鳥羽の藤 開花状況 (京都市情報館)
http://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000216128.html