東日本大震災に負けるな
被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
東北の時計の針は午後2時46分で止まったままだ。
その週末の家路を当たり前に思っていた筈が、突然断たれると誰が想像していたであろう。
日常を一瞬にして呑み込み、廃墟と化した無残な光景を残し、寄せては返し沖合いを行き来した。
津波警報を知り、猛威の狂った爪あとの映像を目にして、何等為す術を打てなかった我々の無力をまざまざと思った。
大切な家族を失い、泣き叫ぶ被災者の姿を見るのが辛い。瞼が熱くなり胸が締め付けられこみ上げてくる。
目の前のTVは、死者の数、行方不明者の数を淡々と報じている。
そして今尚、安否さえわからない人たちの数が桁違いに多い。救助者の朗報が伝えられたのは、事体発生51時間後で沖合い15キロ地点に漂流している人だった。
断たれた陸路の土砂崩れの場所から、遺体が発見されたのが同じ頃である。
冷酷にも犠牲者は膨らみ、死者の数で国内史上初の巨大地震であることを伝えられることが、途轍もなくやりきれない。
水や食料、暖をとる燃料など物資、医薬品の欠乏もさることながら、欲しいものは家族の安否情報であると被災者は訴えていた。
電力は停止し、通信手段も機能していない状況が日本の現代社会に起こっている現実がある。そこにきて、原子力緊急事態宣言である。
全貌が見えぬ中、為す術なくただ呆然と答えすら用意できないでいる。
またしても、自然は人知を超える。
阪神淡路大震災で得た教訓は、「非常時こそ人のつながりが命綱」であることだった。自然災害は忘れそうになった時にやってきた。
今こそ、日本がひとつになって、世界の力もお借りして、震災の被災者を救い、復興に役立たなければならない。それが人の使命である。
被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
兎に角生き伸びてください。生き残れば道は必ず開かれます。