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    京に癒やされ

    三千院初午大根焚きを歩く

    早春の大原に、幸せを呼びに行きました

    冬の京都の歳時記に「大根焚き」がある。
    11月下旬の嵯峨覚勝院に始まり、12月には宇多野三宝寺、千本釈迦堂、鳴滝了徳寺、新年1月を迎えると法住寺、そして、2月には大原三千院の「初午大根焚き」と続く。

    それぞれのご利益は、中風除け、厄除祈願、開運招福と様々にあるが、ビタミンが豊富な冬の大根を頂くことで栄養不足を補っていたことは間違いない。
    また、古来より大根(おおね/すずしろ)は神への供え物で、ハレの日の食べ物であった歴史を持つ。
    それに神仏の祈願を伴って、冬の大根は「大根焚き」の素朴な庶民信仰を生んできたのである。

    節分行事の最中に、大原三千院の「幸せを呼ぶ初午大根焚き」を伝えるポスターを目にした。どうやら観光行事化が図られているようである。この機会に冬の三千院界隈を歩いてみてもよいと思った。大原の漬物や餅も買って帰れるからだ。

    菜の花には早すぎるが、過日の残雪が見られるかもしれないと国道367号線に車を走らせた。観光バス用駐車場には既にバスが駐車している。集落の民家の駐車場に車を留めて、どの経路で三千院に向かおうかと、大きな観光案内看板を見上げた。

    団体客が通る呂川沿いの土産物街を通る表参道か、律川の方へ宝泉院に向かう里道か、遠回りになるが三千院道で田舎の佇まいを歩くか。

    集落にある「右魚山」と刻まれた石碑に従い、表参道を避けることにした。
    上り坂をゆっくりと進んだ。道路の両側は駐車場や民宿が民家に混じって建っている。
    屋根の勾配が急な家屋が散在しているのは雪深いところであったことを教えている。
    茶店風情で土産物を売る店、現在は閉めている店、雑多に並ぶ風景に時代の移り変わりを感じる。

    大原の里は茅葺の里と呼ばれたところだが・・・一軒あった。
    界隈を残す保存の為の行政の補助はないのだろうか。苔が生え雪を残す茅葺の風景に癒やされながらも、消失していく先が窺わせられ少々寂しくなった。
    暫く進むと二軒目の茅葺が、今度は「茅葺の家」として保存されているものだった。

    道沿いに朱の山門が建っている。「天台宗大原念仏寺」の門札がかかり、残雪の中に石仏が並んでいた。奉納された可愛いお地蔵さんは赤い胸当てを二つに割り、間から合掌している手が見えた。どんな風雪にも耐え祈りを重ねていれば春が来る、と言わんばかりに見えた。
    本堂の賽銭箱の前には、お守りが自由に授与されるよう置かれていた。授与のための案内もなければ、料金箱もない。志納を賽銭箱に入れるしか法はないと思うが、参詣者の夫々の心に任せている寺院なのである。
    観光寺院では考えられない寺院の在り様、宗教の原点を垣間見た。
    「まず信ぜよ、ならば信じられん」との声が、境内のどこからか聞こえてくる気がした。

    百メートル余り先にロータリーがみえる。その先の呂川にかかる魚山橋を渡れば「梶井三千院門跡」である。
    表参道からの観光客が次々と上り下りしている。「初午大根焚き」にやってきたのか、往生極楽院の国宝の開帳を目当てにやってきたのか、何もなくても三千院への観光は絶えない。♪京都大原三千院 恋に破れた女がひとり・・・デュークエイセスの唄(女ひとり/詞永六輔)のお蔭なのだろうか。

    大きな石碑を右に高い石積に沿って参道が続く。左手には茶店に京漬物の店が立ち並ぶ。
    華やかさを帯びた門前は一流の観光地を誇る賑わいである。
    樽にかぶらが積まれ、千枚漬の試食販売に精をだしているのが「京名物 土井志ば漬本舗」、その隣に「京都の漬物 川勝総本家」と、せめぎあっているようだ。

    その向かいに、城郭を思わせる高い石垣に囲まれた、門跡寺院の風格を示す「御殿門」が建つ。石段を駆け上がり御殿門を潜り、左手の石段の上で拝観受付を済ませ堂内を歩く。

    角大師や傳行大師の掛け軸がかかり宝物が展示された「客殿」は広く、暖房も行き届き居心地がよい。腰を下ろし、そのガラス窓を介しての額縁庭園を眺めることができた。
    「聚碧園」は江戸時代の茶人金森宗和(1656年没)が声明に感動し作庭したもので、背後に国宝の鎮座する往生極楽院の堂宇が杉木立の中に窺え、立体的な絵巻物のように映り、庭園に残る残雪は、草木の傷みを覆うように優しく包み、光り輝いている。

    渡り廊下伝いに「宸殿」に入り、本殿正面に安置される非公開秘仏「薬師瑠璃光如来(傳行大師作)」にお参りし、縁より「有清園」と、寛和2年(986年)建立の単層入母屋造柿葺の「往生極楽院」を、しばし観賞する。
    その簡素な佇まいは庭園の流木と調和し、歴史の星霜を経て生み出されてくる自然美を心に浸みこませる。

    いよいよ「往生極楽院」を正面より仰ぐことになる。普段閉ざされている戸が外され、国宝「阿弥陀三尊」が姿を表すのである。
    なんと大きいのだ。堂宇の大きさから想像さえしていなかった坐像が三体、今にも飛び出さんと迫ってくる。
    阿弥陀如来座像を真ん中に、向かって右に観世音菩薩像、左に大勢至菩薩像である。堂内狭しと天井いっぱいまで坐像が占め、頭部が閊えそうである。

    「彼岸の極楽へ引導せんと来迎する阿弥陀如来と、それに随喜して往生者を迎えて、つまり、信者を蓮華座に乗せて、今まさに彼岸の彼方へ帰らんとする御姿なのです。」との説明を受けた。

    その堂宇の中を赤外線カメラで解析し建立当時の図柄と色が判明したという。
    その「往生極楽院」の堂内を再現したものが「円融蔵」にあった。

    寺伝によると、平安時代に恵心僧都(源信)が父母のために、姉安養尼とともに建立したものと伝えられ、有名な船底天井及び壁画は、金胎曼荼羅・二十五菩薩・飛天雲中供養菩薩(楽器を奏でる菩薩像)・宝相華(極楽の花園の図)などの極彩色の絵で包まれ、あたかも極楽浄土をそのまま表しているという。

    現在の簡素な佇まいからは想像だにつかないその色彩にあっけにとられるばかりで、その杉木立に眠る日本仏教の現在のイメージが払拭され、当時の原点に一層の興味をかきたたせられた。

    何やら頭に雫が落ちた。見上げると雪を残した柿葺の屋根から氷柱が溶け出しているではないか。苔の上に無邪気に戯れる羅漢さんを見ながら、有精園を後に金色不動堂前広場に向かう。

    冬空に突き抜けるように伸びた杉木立に「三千院初午大根焚き」の幟が見えた。
    弁才天の銅像が出迎えるように見下ろしている。紫陽花の咲く季節には、金色不動堂を包むように杉木立の足元に花を開かせていたのを思い出した。

    木立を抜けると、広場に出された床机に腰を下ろし、湯気の立つ椀から大根焚きを口に運ぶ参詣者の姿があった。張られたテントの下には煮炊きあがった大根が椀に入れられ並んでいる。青い法被の世話人さんや、大原女衣装に身を包んだ婦人が忙しく給仕してくれている。

    大きな釜が幾つも並び、輪切りされた大根がぐつぐつと炊きあげられている。立ち上がる湯気が冬の歳時記を一層盛り上げでいる。
    炊きあがった鍋の大根焚きが大釜に移された。更に湯気は高く舞い上がった。
    それは金色不動堂の護摩火の炎のように、魔を降伏させる威力があるように見えたから不思議である。

    あつあつの大根焚きが入れられた椀をひとつ貰った。箸をいれ口に頬張ると、冷えた体が喜んでいる。更に出汁を飲み干す。全身に熱が伝わってゆくのが感じられた。
    料理屋顔負けの味わいである。
    「幸せを呼ぶ大根焚き」とは、誰が言い出したのかよく名づけたものだ。

    地元大原で採れた純白の太い大根は3000本を超え、金色不動堂で祈祷の上釜で炊きあげられ一万食あまりが振舞われる。

    そのひとつを頂いたが、不動明王のご加護が小生に仮になかろうとも、元気いっぱいの一年が遅れそうに思った。

    帰り道に表参道の味工房志野の出店で、「初午大根焚きのだし」を買い求めることができた。今日三千院の大根焚きに使われているのと同じ出汁だと告げられ喜んだ。

    そうそう、「大根焚き」は「だいこだき」と読んで貰いたい。京都では「だいこんだき」とは言わないのである。

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