SAKURA 2008 No.2
さくら咲いた
サクラ、さくら、桜の毎日が過ぎて行く。
四月第一週前半に、一斉と言って良いぐらいに、何処もが見頃となった。
週半ばには満開の知らせも多く、週後半には散る花まで出る具合だった。
花見か、人見か分からぬ始末では、桜の儚さは味わえない。
いきおい穴場と謳われていないところや、忘れ去られていそうなところを拾い出すことになる。その中で趣のある樹形や名花に匹敵する花を咲かせるところ、あるいは、そのロケーションに味わいを感じさせてくれるところを挙げ、小生の桜見散策のプランを練り上げた。
日の出を待つ毎晩は、気もそぞろな夜の連続であった。
撮り貯めた写真を見ながら、桜の種類や逸話を調べ、学生時代には想像だにつかない勉強ぶりに、我ながらびっくりしてしまう。
「その熱心さがその頃あればね。」と、嫌味っぽく言われても、「今 こんなことが好きだし、楽しいんだよ」と、笑って返せるのだ。
小生にしてみれば、随分と大人になったものだと思う。
さて、お話できる今年の桜の見どころで、じっくりと堪能出来たところというと。
まず、千本釈迦堂(正式名/大報恩寺)の阿亀桜(おかめざくら)である。
七本松通の上七軒を上ったところだし、京都市に現存する最古の仏堂の国宝釈迦堂がある有名寺院なので、混雑具合を少々心配していたが、二、三組の花見客が順次入れ替わり様に参詣される程度であった。
老木の所為で年々花の色見が白くなってきている。その白めの花びらが、時折の風に空を舞い、釈迦堂の屋根に舞い上がっていた。枝垂の先は地面に着くくらいだから、風にそよぐ様はまるで桜のブランコである。
御衣黄桜の若木が固い蕾を膨らませていたので、今週末に再度訪れたい。
千本釈迦堂の阿亀桜の次は、早咲きの紅枝垂桜がある「水火天満宮」を目指した。
手狭な境内ではあるが、隣の天神公園に遊ぶ親子連れに会うぐらいで、濃淡の紅色に咲き分けた一対の紅枝垂を独り占めできる場所である。桃色と紅色が折り重なり、石の鳥居に覆い被さる程に成長している。
水火天満宮へは堀川通を北上して上御霊前通を右折すると良い。交差点からは真紅の地に「水火天満宮」と染め抜かれた幟と鮮やかな紅枝垂桜が、否応なく目に飛び込んでくる。この交差点北東角にある天神公園の公衆トイレはタクシードライバーさんが、走行途中によく利用されている。この辺りの便利な一服場所なのである。
ここに来れば、上御霊前通をそのまま東へ徒歩2、3分。
小川通を越したところにある「日蓮宗 本山妙覚寺」に行かない手はない。
その山門の威風堂々としたこと。この山門は聚楽第の裏門が移されたものである。
その山門前には、紅枝垂桜が固い蕾と細い枝で線状を描き開花を待ち、その隣では淡い桃色を謳歌するように、早咲き枝垂桜が風光を浴び満開となっていた。
山門の瓦屋根に太い柱や板塀が心なしか桃色に染まり、入り口からは奥にうかがえる山桜の白い花々が手招きしているようである。その桜の下には狩野元信、永徳等、狩野家一族の墓碑がある。
今春最も感激し、堪能させてもらったのは「日蓮宗本山 本満寺」である。
小生は目に美を焼き付けられ、長閑(のどか)に和らぐひと時を貰った。
風に光る枝垂の花びらの舞いを忘れることはないだろう。これ以上の形容は割愛し次に譲るが、寺町今出川を上る辺りの寺は奥が深い。
このように街の社寺には、祇園円山の枝垂桜にも近衛邸跡の糸桜にもひけをとらない名木が、まだまだ隠れ生きているといっても良い。
花図鑑ブログhttp://hanazukan.exblog.jp/8444860/
観光客を避けてじっくり憩う枝垂桜見に酔う。(千本釈迦堂/水火天満宮/大石神社)
http://blog.livedoor.jp/rockkakudo/archives/50961817.html
千本釈迦堂
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水火天満宮
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日蓮宗 妙覚寺 (京都府)
http://www.pref.kyoto.jp/bunkyo/1187756225691.html
日蓮宗本山 本満寺
http://www.d1.dion.ne.jp/~s_minaga/n_16_honmanji.htm