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    京に癒やされ

    松尾の葵祭

    京都の皐月といえば、上賀茂、下鴨の両神社での葵祭(賀茂祭)である。

    斎王代や藤の花の掛かった牛車などの巡行が、都大路から下鴨、上賀茂の両神社へと平安王朝絵巻を繰り広げ、路頭の儀、社頭の儀が執り行われる。
    葵祭では神社、祭具は勿論のこと、行列の牛馬、牛車に到るまで、勅使、神官、供奉者の皆が葵楓(あおいかつら)を着けるのが習わしである。
    そのことや、神社の神紋が「ふたば葵」であることを知らない京都人はいない。何故葵楓かというと、ご祭神賀茂別雷命(カモワケイカヅチノミコト)の仰せである。

    「ふたば葵」は、賀茂別雷命が降臨された神山に自生している「こうやまのかみくさ」に由来しているものであった。
    神山は上賀茂神社本殿の背後にある標高301メートルの小山であるが、その地は神域で足を踏み入れることはできないらしい。
    過日、賀茂曲水宴に出向いたとき、近づく葵祭に肖るつもりで、鉢植えされた「ふたば葵」と「ふたば葵」の柄が染付けされた手ぬぐいを授かってきた。

    その間もない日曜日、松尾大社の神幸祭に出かけると、「ふたば葵」の紋入りの法被を羽織った輿丁(よちょう/神輿舁き)を大勢見た。
    どうしたことなのか、神紋が同じ「ふたば葵」なのである。
    いずれかが本社で、いずれかが末社でもない。各々が京都最古の神社のひとつであり、祭神も同じ祭神を祀っている訳でもない。
    洛西の総氏神である松尾大社の祭神は「大山昨神(オオヤマクイノカミ)」と「中津島姫命(ナカツシマヒメノミコト)」であり、上賀茂神社の「賀茂別雷神」でも、下鴨神社の「玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)」でも「賀茂建角身命(カモタケツヌミノミコト)」でもない。
    また、賀茂社は、紀元前神武天皇の御世に降臨し、古代の賀茂一族の氏神を祀る神社で、兄玉依日古(タマヨリヒコ)の子孫である賀茂県主(あがたぬし)の一族により天武天皇7年(678年)に創建された。(諸説あり)

    一方、松尾大社は、太古の昔より、桂川畔にある松尾山の山霊を頂上付近の大杉谷の磐座(いわくら)に祀り、暮らしの守護神として信仰されていた。
    そこへ、5〜6世紀頃、渡来人秦氏一族の来住があり、秦一族の首長はその松尾山の神を同族の総氏神として仰ぎ、この地方の開拓に従事していった。
    そして、文武天皇の大宝元年(701年)に、秦忌寸都理(ハタノイミキトリ)が現在地に神殿を創建し、松尾山の磐座の神霊を移し、「大山昨神」を主祭神として祀ったことに始まる。
    つまり、両神社の創健した者にも血縁の関係があるわけでもない。

    どうして「ふたば葵」の神紋を同じくしているのか見えてこない。

     

    古事記(712年)に、「大山昨神」は近江国の日枝山(ひえのやま、後の比叡山)および葛野(かづの)の松尾に鎮座すると記され、これは、大山に杭を打つ神、すなわち大きな山の所有者の神を意味している。
    因みに比叡山の天台宗延暦寺の守護神でもある。
    「大山昨神・・・松尾に坐す鳴鏑を用つ神ぞ」(古事記)これだ、これで閃いた。
    「大山昨神」の御神体は鳴鏑(なりかぶら)で、音を立てて飛ぶ鏑矢のことである。

    山城国風土記逸文「賀茂の社」に、
    「賀茂建角身命の娘の玉依日売が石川の瀬見の小川(鴨川)で遊んでいたところ、川上から丹塗矢(にぬりや)が流れてきた。それを持ち帰って寝床の近くに置いたところ、玉依日売は懐妊し、男の子が生まれた。これが賀茂別雷命である。
    賀茂別雷命が成人し、その祝宴の席で賀茂建角身命が『お前のお父さんにもこの酒をあげなさい』と言ったところ、賀茂別雷命は屋根を突き抜け天に昇っていったので、この子の父が神であることがわかったという。・・・その火雷命(ホノイカヅチノミコト)は、乙訓郡の社(乙訓神社)においでになる「火雷命」のことである」とある。

    現在乙訓神社はなく、向日神社に火雷神は玉依日売と合祀されている。
    しかし、記紀には火雷神があまりにも沢山おられる上に、大山昨神も別名に火雷神を名乗られている。更に、乙訓は神話の時代には大山昨神の治める葛野にあって、後に分割された地である。

    さて、まずここで、鳴鏑と丹塗矢は同一であるという仮説を小生は立てる。
    すると、前段の逸文は、丹塗矢を依り代にした大山昨神が玉依日売と床をともにしたという隠諭と考えられる。
    つまり、上賀茂神社の祭神賀茂別雷命の父は、実は大山昨神ではないだろうか。
    そうなれば、松尾大社の神紋と賀茂社の神紋が、同じ「ふたば葵」であって当然という事になる。

     

    山城国風土記に、丹塗矢の正体は乙訓神社の火雷神であるとされているから、その火雷命は大山昨神であると考えると、無理なく頷ける。
    松尾大社の船渡御の世話人らしき人に「葵楓」のことを聞いてみた。
    すると、神幸祭では着けていないが、還幸祭の時には、神主さんも、輿丁も「桂の小枝にふたば葵」を着けて、お神輿も松尾大社へ「おかえり」いただくという。
    「おかえりのことを、松尾の葵祭というたもんです」と。
    「ヨイ ヨイ ヨイヨイ!  ホイトー! ホイットー!」の声に、鈴、飾り具が「シャンシャン」と揃い響き、その歯切れの良さに小生の胸の鼓動も同調し高鳴り始めた。

    渡来人秦氏一族と賀茂氏族の手腕により、山城の国は平安遷都をなし、おのおのの氏神が皇城鎮護の社となり、「賀茂の厳神、松尾の猛霊」と並び称された。
    そして、洛外に祠を構えていた氏神の祭が、お旅所を経て京洛の祭となっている。

    松尾の国祭での「おいで」は4月20日(20日以降の日曜日)で、「おかえり」の松尾の葵祭はその21日後と、5月の賀茂の葵祭と接近した日となる。何れも「ふたば葵」を冠する正真正銘の葵祭なのである。
    松尾大社の神幸祭より帰り、大山昨神について更に調べてみた。
    比叡山麓にある山王総本宮日吉大社の東本宮に、「大山咋神」の妃神として、「鴨玉依姫神」が樹下宮の祭神として祀られている。

    そして、日吉大社も松尾大社も賀茂社も神紋は「ふたは葵」である。
    賀茂社のどこにも「大山咋神」は祀られず、語られていない謎は残る。

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