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    京に癒やされ

    紅葉紀行 鷹峰を訪ねて2

    モミジの甘い誘いに丸窓が凡人の迷いを悟らせ

    光悦寺の紅葉のトンネルを潜り出ると、その前が旧周山街道である。

    左に進めば、京見峠越えで、現在の周山街道(国道162号線)と合流し、美山を経て若狭小浜へ続く。
    急な勾配の細いつづら折れを上ると京見峠の茶店があり、右手に京都市街が一望できる。随分前には、夜景を眺めるデートコースのひとつとして車を走らせたこともあった。
    更にその先に行くと分岐がある。右に取ると氷室である。
    その氷室の里は、御所に届ける氷を保存する「氷室」を守っていた北山の集落であった。平安時代より、氷室の氷は京見峠を超え、鷹峰に入り都へ届けられていたという。

    公卿たちが口にした氷室の氷と同じ水で育った木々の紅葉はいかばかりかと、少々気になるところであるが、ここは行く手を右に取る。光悦寺の筋向いといっても良い、直ぐのところにあるのが源光庵である。

    「血天井」と書かれた看板が見えている。歩いて2分とかからない。
    真っ白な漆喰の塀に鈍く黒光りの瓦がのり、蜜柑か柿かと見間違うほどに黄橙の葉が生茂っていた。
    暖かな陽射しをふんだんに浴びたモミジの葉を、敢えて、鈴なりと表現したい。
    その鈴なりを見上げながら塀沿いに行くと表門と石碑が出迎えている。
    土塀に映し出される影は鈴なり達の揺れる枝先で、漆喰は光を跳ね返している。

    禅曹洞宗、源光庵と二つに刻み分けられ、石碑が並び立つ。
    その間の石畳を進み、「源光普照」との扁額がかかる瀟洒な表門を潜ると、順路は左に案内される。塀の屋根瓦が木漏れ日を受け黄と赤と黄赤の夫々の色に染まり、輝きを放っているのに気づいた。
    門前から境内が様々な楓の紅葉で埋め尽くされ、絵画さながらの光景である。

    続いて右手順路に、北山杉に囲まれた奥へと進むと、黒塗りの楼門が真っ青な空に向かって立っている。二層部に「復古禅林」の扁額を掛け、左右に丸窓をもった風変わりな意匠である。
    「復古禅林」とは、それまでの宗派の悪習を、曹洞宗開祖・道元禅師の正伝旧来の慣習に戻すとの意味で、その大改革を行った開山僧の卍山道白(まんざんどうはく)禅師が掲げたもので、その功績を讃えている。

    その左背後には、今まで目に焼きついていた穏やかな黄橙に取って代わって、真紅のモミジが見え隠れし、右手には鐘楼があり、本堂の大きな甍が光って見えている。わくわくする。
    楼門を潜りながら楼門下に目をやると、未だになにやら意味が分からぬ赤い土が撒かれていた。潜リ抜けると庭園がひろがり、左横の銀色のススキが揺らいでいるのに目を奪われた。

    本堂前庭園を通り受付を済ませ書院へとあがることにした。
    「ようお参りやした。ごゆっくりしておくれやす。」と、丁重な迎え入れを受けた。
    奥に見える枯山水の庭園の方を見ると、廊下には虹色の床モミジが描き出されていた。

    禅師の墨跡や山内雪渓の山水画の襖絵と、自由にゆっくりと拝見させて貰い、書院の控えの間に腰を下ろした。その控えの間にはお香が焚かれ、行き届いたもてなしを感じた。
    本堂の丸窓角窓を眺めずとも、もう既に満足させて貰っている。

    和紙を適宜に切り、そこに記された説明書きが、手作りの心根とは何かを教えてくれているように映った。稚拙なマニュアルで数を消化し、ボリュームを競うような、がさつな観光寺院との違いが見えてきた。

    本尊の釈迦牟尼仏と霊芝観世音像の前に座り合掌。
    鳥居元忠が自刄した時の伏見城の遺構と伝える「血天井」に見られる手形や足形も拝見した。
    開け放たれた裏庭の障子の外を覗き見ると、積もった散紅葉に陽があたり、「いつまでいてもええよ」と言わんばかりにじっとしている。
    その誘いに甘んじて座り直した。そして、悟りの窓・迷いの窓をじっと眺めてみる。
    なかなか無心にはなれそうにない。いずれの窓枠の内側にも、それぞれの色で照り輝くモミジが手招きしているからである。

    その手招きに誘われ縁側に出、庭縁をひとまわりした。書院に戻ろうとした時、普通の窓を見つけた。この窓の内側に見えるモミジも手招きしている。飽きることのない安息の時が流れ過ぎてゆく。ほんとにいいところだと思った。

    本堂前の庭に出た。そろそろお隣のお寺へ行こうかと・・・。
    ところが、舞い落ちた数枚のモミジが呼び止めるのである。今しがた落ちたであろうそのモミジの葉は台杉の葉に絡み、飾り付けられているようであった。

    源光庵を出ると、洛北鷹峰のT字路の信号である。坂を玄豚の方へ西に少し下れば常照寺だ。

    常照寺は、元和2年(1616)、本阿弥光悦の子の光嵯が発願し、光悦の寄進した土地に日蓮宗中興の日乾上人が開祖の寺院で、日乾上人に帰依した吉野太夫ゆかりの寺として知られ、太夫の墓や太夫が寄進した「吉野の赤門」と呼ばれる山門、吉野窓と呼ばれる丸窓の茶室、帯塚などで名が知られている。

    参道入口に立つと、燃えているようなモミジの大木に圧倒され、参道両脇の紅葉に包まれた奥に、紅葉した楓に溶けるような赤い門が見える。更に、赤門の奥の地面が染まっているようである。散紅葉がそう見せているのだろう。

    吉野太夫は、都の六条三筋町(後の島原)に在った廓の名妓で、教養高く諸芸に優れていただけでなく、その美貌は遠く唐にまで伝わっていたという。
    京の豪商で文化人であった灰屋(佐野)紹益に見初められ、紹益の親に猛反対された末に、身請けを許されたロマンスは歌舞伎で演じられている。
    吉野は38歳という若さで病死したが、生前に常照寺に山門を寄進していたほどの吉野に縁が深い寺院である。

    境内では、楓の森と呼べるほどのモミジと出合うばかりか、紅葉の絨毯を踏まずには歩けないほどである。元太夫の野点の茶席も用意され、花街の話も聞かせてもらえた。

    時間に余裕がなくなり、常照寺を最後に帰宅することになったが、次回は圓成寺(通称:岩戸妙見宮)にも立ち寄るつもりである。
    洛北の高台は、追いはぎの出るようなところであると光悦は書いているが、休日ともなれば行列のできる名所になっている。
    鷹峰光悦村は、誰もが訪れたいところである。

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