十二坊の桜たち
今春は三度訪れた。
老名木には敵わないが、色の良さを誇り花開かせた紅しだれ。
蓮台野が浄土であるかのように思わせるのである。今日は八重桜を見に立ち寄った。
老名木には敵わないが、色の良さを誇り花開かせた紅しだれ。
蓮台野が浄土であるかのように思わせるのである。今日は八重桜を見に立ち寄った。
すもも桜の白、ソメイヨシノの桜色が満開を見せている頃、紅しだれが数輪を開花させている。
ソメイが花吹雪を見せピンクの絨毯を敷くと、紅しだれが散り初める。
すると、八重桜が開花し、やがて満開である。
弘法大師は、毎日そのうつろいをご覧になっている。
華やかな境内が新緑に変わり、少々寂しい思いもしたが、ハレからケに戻ることを知る。
半月足らずの春のドラマが終わったのである。
上品蓮台寺
京都府京都市北区紫野十二坊町33-1
075-461-2239
地図
「当寺は、聖徳太子の創建と伝え、当初香隆寺(こうりゅうじ)と称したが、天徳4年(960)宇多法皇の勅願により、寛空僧正(かんくうそうじょう)が再建し、寺号を上品蓮台寺と改めたといわれている。
当時は、広大な寺域に伽藍(がらん)が建ち並び壮大なものであったが、応仁の兵火により悉く焼失した。
文禄年間(1592~96)性盛上人(しょうせいしょうにん)が復興し、当寺の外に十二の支院を建立したので、俗に十二坊の名で呼ばれるようになった。
しかし、現在支院は三院を残すのみである。
本堂には、村上天皇より賜った上品蓮台寺の勅額を掲げ、内部には、本尊延命地蔵菩薩像を安置している。
寺宝としては、著色絵因果経(国宝)、著色文殊菩薩画像、著色六地蔵画像(重要文化財)など、多くの文化財を蔵している。」