初詣/洛中ご利益
悪縁を断ち、良縁に出会う
事始めに始まり、終い弘法(21日)、終い天神(25日)も済んだところで、お正月準備はお済ませになられたでしょうか。
祝箸にお屠蘇も揃い、玄関先には葉牡丹が座り、座敷の床の間には松竹梅の盆栽が鼻高々に腰を据えている。大晦日までには然るべき居場所を見つけるのだろうが、何故か荒巻鮭が座卓の上に置かれているのが滑稽である。気分はすっかり正月モードである。
さて、来る年の初詣の計画を練らなければならない。
京都の初詣参詣客数ランキングでは、毎年百数十万人を誇る伏見稲荷大社が断然のトップで、その半数近い参詣の八坂神社、そして平安神宮となり、これがベストスリーである。
氏神である八坂神社を皮切りにして、亥の歳であるので、テーマを決めて数社寺を突進の勢いで参詣したいと思っている。
来年はいい縁に恵まれ、今年の悪かった縁を切りたいと、「縁」に関わるところをテーマに回ってみることに決めた。
良縁に出会うには、まず悪縁を断ち切っておかねばなるまい。
声高に「縁結び」を掲げる社寺は多かれど、「縁切り」を叶えてくれるところは少ないのだ。
そこで思いつくのが、「安井金比羅宮(東山区東大路松原上ル)」である。
この境内には「縁切り縁結び碑」と呼ばれる高さ1.5メートル、幅3メートルの巨岩がある。
この巨岩は原型を見ることが出来ないくらいのお札が貼られていて、まるで白い獅子のように見える。貼られたお札は形代(かたしろ)で、願い事を記した祈願者の身代わりと成るものだ。
まず、「断」と「協」の朱印が押された形代を社務所で授かり、願いごとを記し、それを以って巨岩の碑の中にあるトンネルを潜り抜ける。
潜り抜ける時に巨岩の真ん中の亀裂から丸いトンネルに向けて神威が注がれ、願意が叶うとされている。
この時、入り口を間違えてはならない。
「縁切り」なら、巨岩の碑の表から裏へ。「縁結び」ならその逆だ。
そして、巨岩の碑に形代を貼り付ける。
「縁切り」の内容は様々だ。
男女の縁は勿論、災難、病気、酒、煙草、博打、借金など、どんな縁をも断ち切ってくれるというから嬉しい。ご祭神の崇徳天皇が、讃岐の金刀比羅宮で一切の欲を断ち切り参籠(おこもり)されたことに肖り、断ち物の祈願所で京都唯一の金比羅さんとして永らく信仰されてきた。
悪縁を断ち切り祈願の後は、良縁結びの祈願で万々歳といきたいものだ。
一社寺で納得できない方は、次の四つをサーキットされる手もある。
菊野大明神(京都市二条河原町、宝雲寺境内)、戻橋(京都市上京区一条通堀川)、瑞光寺 元政庵(京都市伏見町深草坊町)、橋姫神社(京都府宇治市宇治蓮華町)。
あるいは、ただただ良縁を祈願するだけと言われるのなら、「安井金比羅宮」の後は、
清水に向かい「地主神社」へ、そして南禅寺を目指しインクラインから「日向大神宮」、更に東山丸太町の「熊野神社」から、御所の東北、相国寺東南の「幸神社 さいのかみのやしろ」、上賀茂神社のお隣の「大田神社」へと向かうのも一考かと。
西でいうと、鈴虫寺(華厳寺) 野宮神社というところだ。
今年一年稚拙なコラムをご愛読いただき、有難うございました。
来年も懲りずにご愛読いただけるよう精進いたします。
良き新年をお迎えください。
安井金比羅宮のホームページ
http://www.yasui-konpiragu.or.jp/index.html
ご利益マップ (マイロード)
http://www.k3.dion.ne.jp/~mkoba911/goriyakuF0.html