祇園祭あれこれ
鱧食って 祭を語る
毎年7月17日は祇園祭の山鉾巡行の日である。
一ヶ月にまたがるこの祭りは、7月1日「吉符入」、「長刀鉾町お千度」に始まり、2日「くじ取り式」を経て、それからの一週間は行事が目白押しだ。
10日の「山鉾建」「お迎え提灯」「神輿洗」で、氏子である小生の気分は既に佳境に入りつつある。
そろそろ、交付された「道路通行許可証」を車に載せなければならない。
そのあと、12日「鉾曳初め」、13日「稚児社参」、14日「屏風祭」「宵山(~16日)」、15日「伝統芸能大会」「宵宮」、16日「献茶祭」「日和神楽」、今年は中止となった「鷺舞」、17日「山鉾巡行」「神幸祭」と続く。
17日を「前祭(さきまつり)」、別称「おいで」と呼び、24日花傘巡行・還幸祭 を「後祭(あとまつり)」、別称「おかえり」と呼び、31日「夏越祓」で幕を閉じる。
祇園祭に関わる雑学というか、「へぇー」を期待して話ネタをいくつか羅列してみると。
まず、「祇園祭ってどんなんや」と聞かれると、「山鉾のコンチキチン」と言う答えが大方であろう。
ところが、それは木を見て森を語らず、である。
祇園祭と言うのは「おいで(前祭・神幸祭)・おかえり(後祭・還幸祭)」であるからして、「神輿のホイトホイト」と答えてもらいたい。
祇園祭は八坂神社の祭事神事なので神輿蔵は八坂の境内にあり、山鉾は鉾町の格納庫にあるからだ。
つまり、神社神事に関わらない祭事は全て、奉納行事や祭事を任された町衆の歓迎行事であるという見方である。
確かに誰もが認めるように、観光名物になっているのは祇園祭の山鉾であることは間違いない事実であるが。
次に、「宵山と宵宮とあるが、どっちが前夜祭の宵なのか」と言う質問がある。
これも前段同様の解釈があり、鴨川の東では「宵宮」、その西の鉾町では「宵山」と呼ばれ、「宵々山」「宵々宵山」などは八坂神社にはない。そして、何故か鴨川東の祇園町には山鉾は巡行しない。
しかし、神輿は鴨川東西の氏子町を巡行し、後祭まで四条寺町の御旅所に渡御されている。
従って、山鉾巡行の前夜祭である宵が「宵山」で、祇園祭の前夜祭である宵は「宵宮」が妥当な答えとなる。
少々理屈っぽくなった。後は淡々と羅列に留めると、
「山鉾の鉾は曳く(ひく)というが、山は曳くとは言わず担ぐという。」とか、
「ハモ祭っていうのは祇園祭のことだ。」とか、
「祇園祭の三基の神輿の形はそれぞれ四角、六角、八角である。」とか、
「山鉾の引き手には苦労するが、祇園祭の神輿の担ぎ手は1000人近くも集まる。」とか、
「七日間毎夜欠かさず、無言で御旅所の神輿に願かけすると恋が叶うと、芸舞妓が手を合わす。」とか、
「女人禁制の山鉾のはずだったが、女性だけの平成鉾が現れるは、女人解禁の鉾がで出す。」とか。
紙幅が許さないほどにこぼれ話がある。
鱧づくしの料理をいただきながら、饒舌に語られる夜はいかがだろうか。
祇園祭 (八坂神社)
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/schedule/02.html
京料理 懐石 大喜久
http://www.f7.dion.ne.jp/~daikiku/
本田鮮魚店
http://hondasengyoten.com/