日本画開拓の時代 ~明治を生きた京の画家~
――京都が目指した絵画の新機軸――
本展で紹介するのは,これまであまり注目されてこなかった,明治時代の日本画家たちの作品です。
明治時代は京都の画家たちにとって激動の時代でした。
急速な文明開化は,絵画制作を取り巻く価値観を大きく変えました。国際的な博覧会の開催により世界の美術が紹介され,学校教育制度の確立によって絵の描き方を学校で教えるようになり,新聞や雑誌などのメディアが台頭すると,挿絵は情報伝達の有力な手段として用いられました。このように江戸時代までの絵画の在り方を一変させるような状況になり,画家たちはどう社会と関係していくのかが問われる時代になったのです。
西洋文化の輸入などに大きな衝撃を受けた若手の画家たちの間では,それまでの書画を見直し,新時代に適応する日本画を生み出す必要が叫ばれました。その中で,京都に登場した新世代が,幸野楳嶺や久保田米僊といった画家たちでした。
彼らは団結し,「新しい日本画」の創造を目指しました。むやみに古人を崇拝することをやめ,それぞれの流派が閉鎖的に活動するのでなく交流し,切磋琢磨しながら「換骨脱胎」して先達に恥じない「新機軸」を打ち出すことを志として掲げたのです。
この展覧会では,明治時代の京都で活躍した画家たちに焦点を当て,近代日本画の出発点ともいえる作品を展示します。約150年前の京都の町に生き,日本画開拓の夢を追った画家たちの挑戦をぜひご覧ください。
■開催日時:2015/4/25~6/30 9:00~17:00
休館日/水曜日(祝日の場合は翌平日)
■開催場所:京都市学校歴史博物館
〒600-8044 京都市下京区御幸町通仏光寺下ル橘町437
■料 金:大人200円 小中高生100円
★★市内の小・中学生は土・日曜日入館無料★★
■お問合せ:075-344-1305 rekihaku-igyou@edu.city.kyoto.jp
■U R L:http://kyo-gakurehaku.jp/