華角と木工―牛の角に秘められた多彩な世界―
朝鮮時代の男女それぞれの室内空間の特徴を表す家具類を中心に木工品の数々を紹介します。儒教精神にもとづく素朴・簡素を旨とした男性の空間には文人趣味の家具調度が配され、一方、特に富裕層の女性の室内は「華角」技法で装飾された調度品などで女性らしい華やかさが演出されました。特に華角工芸の製作過程、時代背景等を交えながら朝鮮独自の装飾技法「華角」工芸の魅力に迫ります。また、螺鈿や竹貼などの装飾性豊かな家具をはじめ、木地の味わいを活かした素朴かつ堅牢な半閉櫃(パンダヂ)や小盤(ソバン)などを展覧します。
華角三層チャン (かかくさんそうちゃん) 朝鮮時代 19世紀
華角は朝鮮独自の工芸品である。角を巧みに薄い紙状に加工し、それに絵画を施して木工品に貼り付けるものである。貼り付ける際には彩色した面を伏せて膠で木面に附着させ、上から熱く熱した鏝で押さえる。透明の角紙であるため、絵は透けた状態で映し出される。このチャン(朝鮮語で箪笥を意味する)には角紙が159枚貼り付けられており、角紙を区画するのは牛骨である。朝鮮時代後期の作例が多く、朝鮮人の牛食文化との関わりもある。
華角は主に高貴な女性が手にした調度品であり、その多くは裁尺や糸巻き、小箱などであり、このような大型の華角工芸品は希少である。
☆★☆★ 華角と木工―牛の角に秘められた多彩な世界― ☆★☆★
■開催日時:2014/7/5~9/28 10:00~17:00
休館日/月曜日(7/21、9/15、9/22は開館、7/22、9/16は休館)
■開催場所:高麗美術館 京都市北区紫竹上岸町15番地
■料 金:一般500円 大高生400円 中学生以下無料
■お問合せ:075-491-1192
■U R L:http://www.koryomuseum.or.jp/