舟歌は 遠く 離れて/第9回アトリエ劇研舞台芸術祭参加作品
第9回アトリエ劇研舞台芸術祭
2014年6月から7月、6団体5公演がアトリエ劇研に週替わりで登場します!
[主催]特定非営利活動法人劇研/アトリエ劇研
いつもここにいるということ
20歳もそこそこの若者が事務所で緊張している。わたしは劇場を初めて使ってもらう団体の代表とは面談をするようにしている。京都の中では高い劇場費だ。それをわざわざ払ってまでどうしてここで舞台公演をしたいと思うのか、これからはどうしていくのか。いろいろと聞いてみる。その応えによって、だったら劇場としてはこんな協力をしましょうかとか、あまり考えがまとまっていないようならこんなアイデアもありますよと提案してみる。話をして多少はリラックスしてくれたのか最後に笑顔で頑張りますと彼は言う。そして一度きりのこともあれば、この劇場で公演を続けて試行錯誤を繰り返しているところもある。
そういう若い作り手は絶えず現れる。わたしも初めてこの劇場を訪れたときはそうだ。その時には自分がゆくゆく劇場スタッフになるとは思いもしなかったけれど、こうして十年以上もここにいる。このフェスティバルが終わってしばらくするとわたしはここを去るのだけれど、その後もここには誰かがいるだろう。新たな作り手が、劇場スタッフが。もちろん老いた者が戻って来ることもあるだろう。いつも誰かがここにいるということ。誰かがやって来ては誰かが去るその繰り返しだ。そんな場所が劇場ということでもある。
今回のフェスティバルは、これまでとこれからの橋渡しとして位置づけたい。ご来場お待ちしています。 アトリエ劇研ディレクター 田辺剛
アトリエ劇研プロデュース演劇公演
(第9回アトリエ劇研舞台芸術祭参加作品、京都芸術センター制作支援事業、日本劇作家大会2014豊岡大会 AIR企画参加)
舟歌は 遠く 離れて
[脚本]田辺 剛(下鴨車窓)[演出]山口 茜(トリコ・Aプロデュース)
[出演]村木よし子(劇団☆新感線)、日詰千栄、藤原大介(劇団飛び道具)、竹ち代毬也、ファックジャパン(劇団衛星)、飯坂美鶴妃、田中次郎、松木萌
開館30周年を迎える京都の小劇場「アトリエ劇研」は、京都を拠点に活動する劇作家・田辺剛と演出家・山口茜の初めてのコラボレーションによる『舟歌は遠く離れて』をプロデュースします。この作品は2011年に当時『あの小舟ならもう出た』というタイトルで書かれ田辺自身によって演出されましたが、上演期間中に起きた東日本の大震災によって、その生と死の境界線が曖昧になっていくという作品世界はよりリアリティの強いものとして観客に受け止められ好評を得ました。
今回は田辺による寓意性の強い独特な劇世界を山口の演出がさらに奥行のあるものにします。
劇団☆新感線の村木よし子をはじめとする実力派の俳優やダンサーの出演は、また別の化学反応を起こし、従来の田辺剛作品とも山口茜作品とも違う舞台空間をつくるでしょう。
京都限定の貴重なステージにぜひご注目ください。
料金:一般=2,500円/ペアチケット=4,300円
ユース(25歳以下)=1,800円/初日割=2,000円
(前売、当日とも同料金)
アトリエ劇研
京都市左京区下鴨塚本町1
075-791-1966(10:00-18:00)
http://gekken.net/gf9/index.html