「江戸の異国万華鏡 ―更紗・びいどろ・阿蘭陀」 MIHO MUSEUM
鎖国下の江戸時代、限られた窓口からとは言え、わが国には想像以上に豊富な品々が海を越えてもたらされていました。なかでも、西洋との主要な懸け橋となったオランダの船に舶載された新奇で美しい工芸品は、当時の日本人の心を強く掴みました。その感動は、当時の人々にとって、同じ頃ヨーロッパより伝わった万華鏡を覗くような心地だったのではないでしょうか。
本展では、江戸時代の様々な舶来品のうち、主にオランダ東インド会社によって輸入された工芸品―多くの人々に愛されたインド更紗、びいどろと呼ばれ和ガラスの手本にもなったヨーロッパ製ガラス器、阿蘭陀と呼ばれ珍重されたデルフト焼を中心とするヨーロッパ陶器を取り上げ、それらが当時わが国でどのように愛でられ、使われたかに焦点を当てて展観します。
江戸時代に舶来し伝世した数々の裂(きれ)やうつわそのものと共に、更紗で仕立てた衣服や小物類、ヨーロッパ製ガラスの模製から始まり独自に深化した和製びいどろ、乾山を始めとする阿蘭陀写陶器など、様々な受容の形を概観します。
数百年の時を経て現代まで大切に伝えられた様々な裂やうつわから、外来の文物を選りすぐり、さらに見事に昇華させて自らの文化に取り入れる、日本人の卓越した美意識に迫ります。
そのなかでも、更紗杜若(かきつばた)文様縫合小袖は、杜若を描いた絹のまわりに約100片の更紗のはぎれを縫い合わせた江戸の美意識の逸品です。
関連講演会
☆「インド更紗の技法」
■開催日時:5月17 日(土) 14:00~
■講師 :吉岡 幸雄 染司よしおか当主
■定員 :先着100 名様(当日美術館棟受付にて整理券配布)
■会場 :南レクチャーホール
☆「茶の湯の中の異国趣味」
■開催日時:5 月18 日(日) 14:00~
■講師 :熊倉 功夫 静岡文化芸術大学学長
■定員 :先着100 名様(当日美術館棟受付にて整理券配布)
■会場 :南レクチャーホール
■開催期間:2014年3月15日(土)~6月8日(日)
■開催会場:MIHO MUSEUM
滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
■開館時間:10:00~17:00(最終入館16:00)
■休館日 :毎月曜日
■入館料 :一般1100円、高・大生800円、小・中生300円
■お問合せ:MIHO MUSEUM TEL.0748-82-3411
■URL :http://miho.jp/