抒情画・加藤まさを の乙女デザイン展
壺の中の妖精、花に宿る可愛い少女の顔…。
これらは加藤まさをが描いた儚げで危うい不思議な作品たちです。
加藤まさをは、ロマンス、メランコリー、メルヘン、エキゾチック、そして乙女たちの憧れモダンガール…など、夢溢れる乙女世界を描いて、爆発的な人気を博した大正時代を代表する抒情画家です。
ほんのりとした色合いとやさしく薫るような妖精画や、不思議な格好をした童謡の登場人物たちは、一度見たら忘れられなくなるような魅力に溢れています。さらに多芸多才なまさをは、生涯を通じて、絵だけでなく童謡の歌詞、挿絵をあしらった童謡詩画集などを数多く手がけ、中でも童謡「月の沙漠」は、今でも歌い継がれる名曲のひとつです。
本展では、加藤まさをの絵はがきや挿絵、楽譜、詩画集を一堂に展覧すると共に、大正、昭和初期の乙女デザインの作家たちもご紹介いたします。香り立つ大正ロマンをご堪能ください。
<プロフィール>
本名、加藤正男。1897(明治30)年、静岡県藤枝市生まれ。
幼い頃は病弱で絵や歌を好む少年であったが、教師であった父の意向で美術学校ではなく立教大学予科に入学。かたわら川端画学校に学ぶ。大学で英文学を学んだことから、イギリスの画家デュラックに惹かれて本格的に抒情画に取り組み、1919(大正8)年には「加藤まさを」の名で東京神田の上方屋平和堂より絵はがきが次々に刊行され一躍有名になる。当時、ヨーロッパでは印刷技術の革新が進み、まさをも新しい印刷技術を取り入れて、多様な風合いの抒情画を次々に生み出した。生涯を通じて童謡、挿絵、楽譜、詩画集を発表し続け、大正末期から昭和初期にかけて竹久夢二、高畠華宵(たかばたけかしょう)、蕗谷虹児(ふきやこうじ)らと共に抒情画全盛時代を築いた。
華やかなる大正抒情画家たち ~ 夢二、かいち、華宵、春佳 ~ ☆★☆★
■開催日時:2013/5/24~6/17 10:00~20:00(最終日は17:00まで)
■開催場所:美術館「えき」KYOTO
600-8555京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
■入場料 :一般700円 高大学生500円 小中学生300円
■お問合せ:075-352-1111
■URL :http://kyoto.wjr-isetan.co.jp