葵祭にわか写真学習/路頭の儀 本列とは!?
さて、馬寮使(めりょうつかい)の調度掛の後に続くのが・・・葵祭本列となる。
そのあとが、本来の葵祭の路頭の儀にはなかった列で、祭りの再興時に生み出された、
賀茂社に縁の深い斎王代の列なのである。
専ら観光祭として話題に上るのは、その十二単の斎王代さんや女人列となっている。
それでは、本列の「勅使の牛車」からおさえていこう。
藤の花のほかに飾られた季節の花にもご注目あれ。
黄色の花が見えますか・・・? 他には・・・?
牛車(ぎっしゃ)
俗に御所車といわれ、勅使の乗る車で、藤の花などを軒に飾り、牛に引かせる。
現在、勅使が乗ることはなく、行列の装飾となっている。牛童(うしわらわ)、車方、大工職などの車役が、替え牛とともに従っている。
農業が牛馬で行われなくなって久しい。
葵祭の祭礼のために、一年を通じ大津市の農家で飼育され、牛車を引いて、沿道を歩くトレーニングがされているという。
替え牛につづいて・・・・行列するのは
和琴(わごん)
御物の和琴で「河霧」の銘を持つ。神前の奏楽用として舞人の前、2人で運ばれる。
舞人(まいうど)
近衛府の五位の武官で、歌舞の堪能者がこの日の舞人を勤める。
6人が騎乗でお供する。それぞれ雑色、舎人、白丁が従う。
コラムをご覧ください→ 葵祭 路頭の儀 本列とは
勅使(ちょくし) 代
天皇の使いで、行列中の最高位者。
四位近衛中将がこれを勤めるので、近衛使(このえづかい)とも言われる。現在、勅使は路頭の儀には加わらず、代行者が勤め、当時の様式どおり、飾太刀、騎乗する馬も美々しい飾馬で、朧(御馬役人・くとり)が口を取る。この勅使が元来の賀茂祭路頭の儀の主役なのである。
舎人、居飼(鞍覆持・いかい)、手振が従う。
随身(ずいしん)
近衛中将の場合は4人が随行、警護にあたる。
牽馬(ひきうま)
勅使の替え馬で、帰路に備える。舎人が牽く。
手振(てふり)、童(わらわ)、雑色(ぞうしき)、取物舎人(とりものとねり)、白丁など従者が近衛使の所用品を携えて連なる。
そのひとつひとつの品々に注目されると良い。事前に調べておくと、尚一層行列見物は楽しくなる。
勅使の列の末尾は華やかになります。
風流傘(ふうりゅうかさ)
大傘の上に牡丹や杜若など季節の花(造花)を飾り付けたもの。
行列の装いとして取物舎人4人でかざしてゆく。
陪従(ばいじゅう)
近衛府の五位の武官で、この日は賀茂両社の社頭で歌をうたい楽器を奏する役を勤める。
7騎が各種楽器を携えてゆく。それぞれ雑色、舎人、白丁が従う。
内蔵使(くらづかい)
内蔵寮の次官で五位の文武兼官。
職名は内蔵助。勅使が神前で奏上する御祭文を奉持している。騎乗し、馬副、白丁らが従う。
風流傘(風流傘)
先の風流傘とは造花が少し異なる。この傘が本列の結びとなる。