阿亀桜に千本釈迦念仏が拝観無料となる
3月22日は国宝千本釈迦堂(大報恩寺)を訪ねられてはどうだろうか。
国宝に指定されている本堂「釈迦堂」に無料で入れ、
「千本釈迦念仏」の声明を聞き、
後追いながら唱えられると清清しくなれる。
そして、開花した釈迦堂前の阿亀桜(おかめざくら)も、
見ごろにはあと一息かも知れないが、
お花見もできてありがたい一日となる。
千本釈迦念仏とは、本尊釈迦如来坐像をまつり、
国宝千本釈迦堂の名で親しまれる真言宗智山派・大報恩寺で行われる念仏法要。
吉田兼好の「徒然草」にも書かれた念仏会のことである。
念仏は室町期に始められたと伝えられ、釈迦の「遺教経」を千本式の唱え方で奉誦するもので、
本堂内には僧侶が歌唱する声明が静かに流れる。
この日本尊釈迦如来坐像が特別公開される。
こちらが満開見頃の「阿亀桜」である。
「おかめ物語」とは、鎌倉時代に大報恩寺の本堂(釈迦堂)を作った大工の棟梁(高次)が、大事な柱の寸法を間違い短く切ってしまった。そのことを知った妻のおかめ(阿亀)が枡組を使うようにと高次に知恵をつけ、無事に本堂建築の大任を果たすことができた。
しかし、おかめは女の指示助言で棟梁が仕事を完成させたことを知られてはいけないと、本堂の上棟式を待たずに自害したのである。
高次は上棟の日、妻おかめの冥福とお堂の無事を祈っておかめの面を御幣につけて飾った、と伝えられる。
この話を伝え聞いた人々が、貞淑で才知に長けたおかめの菩提を弔うために、大報恩寺の境内に宝篋印塔(おかめ塚)を建てた。
この言い伝えから、大工の信仰を集め今日でも上棟式にはお多福の面を着けた御幣が飾られるようになっている。
このことから度重なる戦乱にも残った本堂とも結びつき、厄除、招福のおかめ信仰につながっている
■開催日時:2015/3/22 14時~
■開催場所:千本釈迦堂
京都市上京区今出川七本松上ル溝前町1034
■拝 観 料:境内・念仏会参加無料/ 霊宝殿拝観500円
■お問合せ: 075-461-5973