村野藤吾とクライアントー近鉄の仕事を通して★京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
村野藤吾(1891-1984年)は戦前から戦後にかけて多数の建築作品を遺しましたが、その中には同じクライアント(施主)から継続的、断続的に設計を依頼されたものが多数含まれています。大阪や東京を拠点とする大企業が長年に渡って村野のクライアントととなり、豊かな建築作品を支えました。
代表的な企業として中山製鋼所、湯浅伸銅、大丸(現・大丸松坂屋百貨店)、高島屋、大阪商船(現・商船三井)、川崎造船所(現・川崎重工業)、西武鉄道などが挙げられます。しかし中でも、戦前から戦後にかけて約50年間に渡って村野にとっての特別なクライアントであり続けたのが、近鉄(近畿日本鉄道)です。
その仕事は本社ビルや鉄道駅、百貨店、ホテル、劇場、映画館、住宅など、多岐に渡っています。多数の来場客を迎える都市的な施設が多く、その建築空間には、いかにクライアントの要求に答えいかに来場客をもてなすか、という難しい課題に対する村野の回答が表現されていると言えます。
出品作品
あやめ池温泉場(1929年)
都ホテル(現・ウェスティン都ホテル京都/1936-88年)
橿原神宮駅(現・橿原神宮前駅/1940年)
アポロ座(1950年)
志摩観光ホテル(1951・69・83年)
近映会館(1954年)
近鉄会館(1954年)
近鉄百貨店阿倍野店(1957・58・64年)
名古屋都ホテル(1963年)
佐伯邸(1965年)
上本町ターミナルビル・近鉄百貨店上本町店(1969年)
近鉄本社ビル(1969年)
賢島駅(1970年)
近映レジャービル・アポロ(現・きんえいアポロビル/1972年)
都ホテル大阪(現・シェラトン都ホテル大阪/1985年)
記念シンポジウム「村野藤吾とクライアント-近鉄の仕事を通して」
日時:2017年4月22日(土)14:00~17:00
会場:京都工芸繊維大学 1号館0111講義室
定員:150名(入場無料・当日先着順)
基調講演:中山 勉(近鉄・都ホテルズ副社長)、石田潤一郎(京都工芸繊維大学教授)
事例報告:福原和則(大阪工業大学教授)、笠原一人(京都工芸繊維大学助教)
司会:松隈 洋(京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)
同時開催
里見宗次―フランス・日本・タイのグラフィックス(3月6日~4月22日)
第14回村野藤吾建築設計図展
☆★☆ 村野藤吾とクライアントー近鉄の仕事を通して ☆★☆
■開催日時:2017/3/21 ~6/10 10:00~17:00
休館日/日曜・祝日、
■開催場所:京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町
■料 金:一般200円 学生150円 高校生以下無料
■お問合せ:075-724-7924 E-Mail:siryokan@kit.ac.jp
■U R L:http://www.museum.kit.ac.jp/