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翌'99年も、カフェやランチや祇園といった人気特集の表紙にカップルや女の子のモデルを使うなど、女性誌的アプローチを続け、それなりに安定していたのだが、一部のスタッフや、驚いたことにスポンサーから「クラブフェイム(まだまだこう呼ばれることが多かった)はこうとちゃうやろ!」という声があり、夏場に一気に噴出した。そうしてできあがったのが'99年10月号「愛すべき木屋町マスター」だ
[24]。街の大先輩である木屋町バーのマスターから、若手の木屋町人に、世代による飲み方の違いを聞いたり、街の使い方を特集した。インタビュー的な取材は非常に面白いし、個人的にはやりやすくて好きなのだが「売れへんくても、知らんで?」というやりとりをした覚えがある。ところがこれが大反響。今に続く本誌のイメージ、「酒・夜・男」が、全部入っているし、その後の方向性を決定づけた。ちなみに「arpe´ggio」の恒岡誠二さんが最後に受けた取材がこの号で、掲載した写真が今も同店にかけられている(本誌と同い年な「arpe´ggio」の25周年の様子は本年3月号に掲載)。