錦影絵「虚實皮膜の間」上演とワークショップ/おもちゃ映画ミュージアム
大阪芸術大学教授池田光惠さん率いる「錦影絵池田組」による「虚實皮膜の間」と題した錦影絵の上演とワークショップを開催。
上演するのは、桜白浪憑依豆袋より「憑いてない日」(上掲チラシ第1部に掲載されている左写真)と「花輪車」「曲独楽」(同右写真)。錦影絵が、どんなに幻想的で美しいものか、ぜひ実際に体験してください。。
錦影絵は、関東では「写し絵」と呼ばれています。池田先生が以前お書きになったものを引用しながら錦影絵の歴史を書けば…
「上方では明和年間(1764~72年)に西洋幻灯機が伝わると、すぐに座敷用幻灯機が製作・販売され、座敷で演じられる幻燈が流行しました。その後、この座敷影絵が興行用に改良されて、寛政年間(1789~1801年)にはすでに上方一帯に木製幻灯機芸能の形式が確立されていました。通説では、大坂で演じられていた西洋の模造品である木製幻灯機の見せ物が、江戸に伝わり「江戸写し絵」となって木製幻灯機芸能として確立した後、天保年間(1830~44)に再び上方へ至って、その呼称も「錦写し絵」から「錦影絵」へと変遷した、となっています。しかし、当時の演目や座敷、また新たに発見された種板を考察した最近の研究で、「錦影絵」という呼称はともなわないものの、「江戸写し絵」が伝播したとされる天保年間よりも早い寛政年間には既に上方での木製幻灯機芸能の形式が確立されていたと考えられます。」
上演は映画上映の時と同様、会場を真っ暗にした中で行います。ミュージアムの2階のホール側に面した窓に美濃和紙で作ったスクリーンを張り、お客さまは1階のホールからそのスクリーンに映し出される影絵をご覧いただきます。2階の和紙スクリーンの後ろでは、メンバーがそれぞれ「風呂」と呼ばれる道具を手に演じます。
後継者を育成するのはなかなか大変ですが、「一度廃れた伝統芸能の灯をもう一度蘇らせたい」と池田先生はじめメンバー全員で頑張っておられます。先ずは、錦影絵を知ってください。
☆★☆★☆ 錦影絵「虚實皮膜の間」上演とワークショップ ☆★☆★☆
■開催日時:2017/7/2 13:30~
■開催場所:おもちゃ映画ミュージアム
〒604‐8805 京都市中京区壬生馬場町29-1
■料 金:事前予約要/入館料込1000円、ワークショップ参加は材料費500円
■お問合せ:075-803-0033 info@toyfilm-museum.jp
■U R L:http://toyfilm-museum.jp/