滅却心頭火自涼―甲斐の名刹・恵林寺の至宝―
中世における傑僧・快川紹喜(?~1582)の遺偈として、快川の名とともに広く知られています。その舞台となったのが、甲斐の名刹・乾徳山恵林寺(山梨県甲州市、臨済宗妙心寺派)。天正10年(1582年)、恵林寺は織田信長軍勢の焼き討ちに遭い、時の住持であった快川は、燃え上がる三門楼上でこの遺偈を唱え火定を遂げました。
恵林寺の歴史は古く、鎌倉時代にまで遡ります。元徳2年(1330)、二階堂貞藤(道蘊、1267~1335)が夢窓疎石(1275~1351)を招請して開創しました。以来、日本禅宗史にその名を連ねる数多くの禅僧によって恵林寺の法灯が嗣がれ、同時に、恵林寺はその宗風を慕う外護者を迎えることによってさらなる発展をみます。ことに、戦国期には武将・武田信玄(1521~73)、近世に至っては柳沢吉保(1658~1714)・吉里(1687~1745)父子の庇護を受け、信玄・吉保の菩提寺として興隆しました。
恵林寺は戦国期と明治期に主要伽藍を焼失する災禍に遭いますが、14世紀に遡る開創期からの歴史を今日に伝える寺宝が守り伝えられています。さらに、信玄を顕彰する人々や柳沢家から、信玄・吉保らゆかりの品々が奉納されてきました。
この度、公益財団法人 禅文化研究所と共同で、恵林寺に蔵される絵画・書跡資料の悉皆調査を行い、これまでに紹介されていない中世絵画資料等を見いだすことができました。
本展覧会は、恵林寺の文化財がまとまって寺外にて公開される初めての展観です。650年を越える恵林寺の歴史を振り返るとともに、その長い歴史のなかで蓄積された多彩な文化財を新発見資料とともにご紹介します。
記念講演会
会場:花園大学教堂 (入場無料、申込不要、先着150名)
2014年10月28日(火) 13:00~14:30
「快川国師と恵林寺」横山 住雄 氏(濃尾歴史文化研究所主宰)
2014年11月25日(火) 13:00~14:30
「恵林寺散策」古川 周賢 老師(乾徳山恵林寺住職)各講演会終了後、15:00より展覧会場にてギャラリートーク(本展の担当者による展示作品の解説)を開催いたします。
【記念講演会に関するお問い合わせ】
公益財団法人 禅文化研究所
TEL(075)811-5189
■開催日時:2014/10/6~12/13 10:00~16:00 (土曜日14:00)
休館日/ 日曜、(11月16日・12月7日は開館)、11月3・4・5日
※但し、大学行事により臨時休館する場合があります。
■開催場所:花園大学歴史博物館(無聖館4階)
京都府京都市中京区西ノ京壺ノ内町8-1
■観覧料金:無料
■主 催:花園大学歴史博物館、公益財団法人 禅文化研究所
■お問合せ:075-811-5181
■U R L:http://www.hanazono.ac.jp/museum