ONZE オンズ
客の気負いを削ぐ気合いは、
能ある爪を隠すため?
チョイブラ一杯、フレンチで。
バルやバールの大流行は知っている。「フレンチには、そういう店はないの?」というと、ちゃんとある。立ち飲み気分なグラスワインとアテひとつ、で始まる夜(もしくは終える夜)。「ちょっと一杯」なフレンチから始めよう。
「新京極の『京極スタンド』がフランスにあったらどうやろ?と思ったんです」。店主・山崎智彦さんが例に挙げたのは、コロッケやら揚げそばやらのボリューム満点のおかずをアテに酒を飲ませる昭和の大衆酒場。要するに彼はそのフランス版をこしらえたわけだ。「あったらいいなを実現しただけ」と飄々とした態度を見せるが、京都フレンチの名門ベルクールで修業を積んだ以上、ハンパなことは許されないのがこの世界。毎年欠かさず渡仏し、学び取った伝統料理のレシピのなかから「確実においしいもの」をセレクト&アレンジ。ひょっとすると、「ぶらっと来て好きに食べて飲んで帰って」という気楽なスタイルを貫くことによって、自身の生真面目さを隠そうとしているのでは? 思わずそう勘ぐりたくなるくらい、上出来な一軒なのである。
ONZE オンズ
京都市下京区木屋町通
四条下ル斉藤町125
075・351・0733
15:00〜翌1:00/火休
【平均予算】2500円