• CF!歩み
  • 記事検索
  • aboutus
    京都cf!
    京都の情報発信基地
    • イベントカレンダー
      • イルミネーション
      • 今日あすのイベント
    • ニュースな街ネタ
      • アートイベント
      • グルメイベント
      • ランチ
      • 京菓子・スイーツ
      • 京料理
      • イベント・催事
      • ビジネスニュース
      • 花暦花便り
      • エンタメ
      • ショップ
      • スポーツ
      • 近場でおでかけ
      • 町角のネタ
    • CF的グルメ
      • 京都ラーメン学
      • ラーメン・つけ麺
      • そば・うどん
      • カフェ・コーヒー
      • パン・サンドイッチ
      • 洋食・欧風料理
      • スペイン料理
      • イタリア料理
      • フランス料理
      • ベトナム料理
      • 中華料理
      • 和食
      • 定食・食堂
      • 居酒屋・ダイニングバー
    • 京都人・コラム
      • 五所光一郎:コラム京に癒やされ
      • 五所ブログ:烏丸かわら版
      • 谷口年史:京都ミステリー紀行
      • 木村英輝
      • 高見重光
      • 東郷一重
      • 番外インタビュ
    • 音街京都
      • 京都のライブハウス
      • ClubScene
      • Mojo West Chronicle
      • Mojo History
      • 京都系アーティスト
      • 京都系新人
    • 祭・季節
      • 梅名所 京都
      • 節分祭
      • さくら名所・名木
      • 葵祭
      • 祇園祭
      • 時代祭
      • 洛中洛外観月ポイント
      • 紅葉の特別拝観
      • イルミネーション

    オススメ記事

    • 五山の送り火 今年も縮小で
    • 稲垣尚毅『紡ぐと解く -TSUMUGU TO HODOKU-』
    • くるり「京都音楽博覧会2021」オンライン開催
    • 小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌(レクイエム)
    • 京博「京(みやこ)の国宝—守り伝える日本のたから

    京都ミステリー紀行

    中世トリビア(その14)

    ~過ぎたるは及ばざるがごとし~

     前回のエピソードに登場した坊さんは欲の皮を突っ張らかし過ぎて大しくじりをやったわけだが、まあ、何事もやり過ぎると碌な事はないということだろう。
     『沙石集』には同様の、しかももっとはっきりとした話も収録されている。
     巻第8の13。

     ある山寺に出家を希望する女性がやって来た。師となる僧が「尼としての名をつけよう」と言うと、「名前はもう自分で決めてきた」と答える。
     さて、どんな名前かと問えば、

    「阿釈妙観地白熊日羽嶽房」(あしゃくみょうかんじはくゆうひはたけぼう)

    だという。
     「何じゃ、それは?」といえば、

    「私は神も仏も信じて、みんな尊いものだと思ってますのでそれぞれから一字ずつ取りました」

    と。つまり

    「阿弥陀、釈迦、妙法、観音、地蔵、白山、熊野、日吉、羽黒、御嶽」

    から一字ずつ取ったのだと。
     それにしても、あまりにも長い。

     さて、これと似た話をどこかで聞いたことがありませんか?

     そう、落語の「寿限無」(じゅげむ)。
     縁起のいい言葉を並べて息子の名前にしたら

    「じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ ぱいぽ ぱいぽ ぱいぽのしゅーりんがん しゅーりんがんのぐーりんだい ぐーりんだいのぽんぽこぴーの ぽんぽこなーの ちょうきゅうめいのちょうすけ」

    という長いものになってしまったと。これにもちゃんと意味があって

    寿限無、寿限無 五劫の擦り切れ
    海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末
    食う寝る処に住む処
    藪ら柑子の藪柑子
    パイポパイポ パイポのシューリンガン
    シューリンガンのグーリンダイ
    グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
    長久命の長助

    という漢字が当てられる。
     もっとも、前半は

    「寿命は何時までも続き天上界で岩が擦り切れる五劫のときまでに及び、海の砂利や水中の魚のように数知れず、水・雲・風の来し方行く末には果てがなく、食べることや寝る場所に困らず、生命力豊かな藪柑子の木が連なっているような」

    という仏教的な話なのだが、後半は「みんな長生きしたというパイポ王国の歴代の王様の名前」といういささか怪しい話になり、締め括りは「長く久しい命を長く助ける」という、とにかく長い長い意味になる。

     この落語にもいくつかのヴァージョンがあるようだが、一般的なオチは「子供の喧嘩で親同士が責任追及のために子供の長い名前を言い合っているうちに殴られて出来たタンコブが引っ込んでしまった」というものだろう。
     私としては、「病気になった子供を病院に連れて行って、医者に診てもらう前に長い名前を言いながら症状の説明をして、やっと治療してもらえると思ったら子供が死んでいた」というのが一番好きである。

     過ぎたるは及ばざるがごとし。

     これと同じで、厳しすぎるルールは却って害になる。
     厳しすぎて守りようがないなら、誰も守らなくなる。「これは誰も守らない」というのが暗黙の了解事項になるから。それが行き着く所まで行くと「守る奴は馬鹿だ」となる。
     ルールは少し隙間のあるほうが良い。

     さて、『沙石集』にある尼さんがその後どうなったのかは分からない。ただ、中世では神様と仏様が共存していて、お互い堅いことを言わず、仲良くやっていたのである。基本的には今もそうだ。
     何度でも言うが、過ぎたるは及ばざるがごとし。
     中心になるものはぶれてはいけないのだろうが、歩み寄れるところは歩み寄ると。
     信念は大いに結構なのだが、本当に信念のある人というのは、その信念を曲げる必要のない範囲であればいくらでも妥協してくれるものである。
     何事も、ほどほどが良いようで。
    (来週に続く)
     
     

    【言っておきたい古都がある・145】

    Related Posts

    最後に三つの歌

    京都ミステリー紀行 /

    最後に三つの歌

    踏切の自縛霊

    京都ミステリー紀行 /

    踏切の自縛霊

    静原の幽霊

    京都ミステリー紀行 /

    静原の幽霊

    恐怖のアパート・伏見編

    京都ミステリー紀行 /

    恐怖のアパート・伏見編

    イノシシも化けるしカワウソも化ける

    京都ミステリー紀行 /

    イノシシも化けるしカワウソも化ける

    ‹ 中世トリビア(その13) › 中世トリビア(その15)

    季節の特集

    京都さくら散策

    観梅京都2018

    節分
    葵祭特設サイト

    祇園祭

    時代祭



    京都の料理職人


    記事分類

    • ニュースな街ネタ (5,159)
    • 紅葉 (66)
    • イルミネーション (92)
    • 伝統文化・歳時 (685)
    • 京都さくら散策 (230)
    • 祇園祭 (53)
    • 観梅 (34)
    • CF的、京都グルメ (483)
    • 京都ラーメン学 (24)
    • コラム (1,296)
    • 京都サブカル小論 (8)
    • NAKED Eyes (4)
    • REAL FACE (35)

    タグ

    MIHO MUSEUM さくら名木古木 アサヒビール大山崎山荘美術館 アンスティチュ・フランセ関西 ライトアップ 三室戸寺 上賀茂神社 下鴨神社 京都水族館 京都系 京野菜 伏見稲荷大社 八坂神社 北野天満宮 千本釈迦堂 城南宮 壬生寺 大覚寺 嵯峨釈迦堂 平安神宮 平清盛 新風館 日本酒 清水寺 無鄰菴 特別公開 知恩院 神幸祭 節分 紅葉 若冲 葵祭 観梅 豊臣秀吉 還幸祭

    Back to Top

    ClubFame & 京都CF! http://kyotocf.com