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    京都ミステリー紀行

    中世トリビア(その12)

    ~仏法でも当てのはずれることがある~

     世の中は、「当てははずれるもの、期待は裏切られるもの、間違いは気付いたときには遅いもの」の三重苦である。今も昔も変わらない。
     そこで『沙石集』からそのエピソードを取り上げてみよう。
     巻第7の2である。

     ある百姓の妻の夢に死んだお舅さんが現れて

    「明日の狩で私の命が危ない。この家に逃げてきたら助けてくれ」

    と言う。
     すると翌日、狩で追われたキジが家の中に逃げ込んできたではないか。よく見るとこのキジはお舅さんと同じく片目であった。妻は「これは舅の生まれ変わりに違いない」と、そのキジを隠して助けてやったのである。
     夫が帰ってきてから事の仔細を話すと、夫もキジが片目であるのを確認して

    「これは間違いなく父の生まれ変わりだ」

    と言い、こう言ったまではよかったのだが、その後で

    「自分の子供に食われようと思ってこの家に来たのだろう」

    と、そのキジを絞め殺してしまったのだ。
     妻はびっくりして逃げ出し、お上に訴えた。
     夫は捕まって尊属殺人で罰せられたという話。

     

    まず、お父さんのほう。

     人間ではなくキジに生まれ変わってしまったのは当てがはずれてお気の毒だが、存命中はそこそこの功徳も積んでいたのだろうか、狩で殺されるという非業の死を避けるため息子の嫁の夢の中に生前の姿で出ることが出来た。このあたり、御仏の御慈悲なのだろう。
     当たり前ならこれでキジとしての天寿を全うできるはずであった。
     それで、嫁さんが匿ってくれたのは期待通りであったけれど、息子に絞め殺されたのは想定外だっただろう。
     もっとも、お父さんのほうも息子の夢の中に出るのではなく、お嫁さんのほうに出たというのは、やはり、何かこう、「息子のほうは当てにならん」という思いがあったのかもしれない。しかし世の中、こういう悪い予感というのは当るものなのである。
     何故か?

     だいたい、良い予感というのは単なる願望で、「こうなったら良いな」という一種の空想である。
     それに対して悪い予感というのは(たとえ無意識のうちでも)何か根拠があるものなのだ。「あいつは過去にああいう事、こういう事をしている」といった具合に。
     希望的観測に過ぎない予測と何らかの根拠に基づく予測とでは、後者のほうが実現性が高いのは当たり前。
     キジに生まれ変わったお父さんも、お嫁さんの夢の中に出たとき、

    「このことは誰にも言わないで危険が過ぎたらすぐに逃がしてくれ」

    と念を押しておけばよかったのだ。詰めが甘かった。そして、この間違いも気付いたときには遅かったのである。
     さて、次は何に生まれ変わっているのだろうか。

     次に息子のほうである。

     父親の生まれ変わりであろうが何であろうがキジはキジだ。久しぶりのご馳走だから有難くいただこう、親父も息子に食われたら本望だろうと、あっさり絞め殺したと。
     しかし奥さんがびっくりして役人に訴えたのは想定外だった。しかもキジを殺しただけなら微罪だろうが、それが父親の生まれ変わりだったからというので尊属殺人罪を適用されてしまったとなると。。。
     久しぶりにキジを食うという当てははずれ、狩で逃げ込んできたキジを殺しただけだから大した罪にはならないという期待は裏切られ、「絞めるんじゃなかった」という間違いは気付いたときには遅かった。
     後悔先に立たずである。

     普通の仏教説話なら、キジに生まれ変わったお父さんを助けて、家族三人で語り合うのだろう。そして仏法の有難さを説くわけである。
     ところが『沙石集』は「そんなに上手く行くものではない」と説くわけだな。
     これって、中々のリアリズムではないか。
     仏法でも、御仏の御慈悲でも、どうにもならない事はある。
     「信ずる者は救われる」というほど世の中は甘くないのだ。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・143】

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