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    京都ミステリー紀行

    京都の洋食(その7)

    ~ハヤシライスとは何なのか?~

      さて、ハヤシライスの由来なのだが、どうやらマイナーなだけにそのファンとの絆が強く、こだわる人がいるようである。

     

     どのような「説」があるかというと、

    ①ハッシュド(Hashed)説。②「はやす」説。
    ③早矢仕有的(はやし ゆうてき)説。 
    ④林某説。⑤早死説。⑥早い説。

     まあ、後へ行くほど眉唾になるが、こういう主張をしている人がいる。
     その詳細なのだが、こればかりはどれが本当かは藪の中。悪しからず読み飛ばしていただければ幸いである。

     それではいの一番に「どう考えてもこれじゃないの」という大本命の説。

    ①ハッシュド(Hashed)説。
     ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス(Hashed beef with Rice)が「ハッシ・ライス」あるいは「ハイシ・ライス」となり、それが訛って「ハヤシライス」となったとする説。
     ハッシュド・アンド・ライス(Hashed and rice)の変化したものとみる説もある。

     私はこれだろうと思う。また子供の頃からこうだと思っていた。どう考えても「これとちゃうのん?」と思ってしまうのだな。

     ところが、世の中にはそれでは納得しない人がいるのである。

    ②「はやす」説。
     言語学者の楳垣実は自著の中で、古語(および古語の影響の残る方言)で「こまかく切る」という意味を持つ「はやす」という動詞を取り上げ、英語のハッシュド (Hashed) がハッシ、ハイシなどと訛った上で、「はやす」との意味の類推から「はやし肉」などといった語が生まれたことによって、ハヤシライスになったのであろう、と述べている。
     この証拠として、明治41年(1908)発行の『海軍割烹術参考書』にドライハヤシとしてハッシュドポテトの調理法が書かれており、当時Hashedがハヤシと書かれていたことがわかる。

     これは学者先生が自分の薀蓄を垂れたいがために持ち出した説ではないのかな。
     手元にある一般向きの古語辞典で「はやし」を引いてみると、動詞としては「引き立たせる。誉める。拍子をとって盛り上げる」というのは載っているが、「細かく切る」というのはない。つまり、かなりマイナーな用法なのだ。そんな意味の言葉があるのすら知らない人のほうが多い。
     方言だといっても、ハヤシライスが誕生したのは都会ではないのか。

     つまり、ハッシュドが訛ってハヤシになったと素直に考えておけば良いのであって、古語の意味からの類推なんて持ち出す必要が無い。
     「ハッシュドからハヤシ」という変化が不自然という声もあるが、たとえば気取って英語風に「ハッシュド」と言っていたとしたら、日本人の耳には「ハ」と「シ」だけが強く残り、そこから真ん中の音が何となく生成してハヤシとかハイシになったのかもしれないし。

     明治41年の本に「ハッシド」が「ハヤシ」と書かれているとしても、それ以前にすでにハヤシライスというのが定着していたらそれに引きずられてハヤシと記した可能性のほうが大ではないか。言い易いし。

     何にしても、無理矢理誰も知らないような古語を持ち出してくる説というのはパスしてもいいのではないだろうか。

     次は有名企業が絡む「中々権威ある」説である。

    ③早矢仕有的説。
     丸善創業者の早矢仕有的(はやし ゆうてき)が作る牛肉と野菜のごった煮に由来するとする説。
     『丸善百年史』に掲載されている。
     医師だった早矢仕が作った滋養の強い入院食説、丸善で働く丁稚に出した夜食説、明治初期に早矢仕が友人に振る舞った料理という説がある。

     

    早矢仕有的
    由緒ある企業が主張している割には根本のところが定まってませんね。
     結局「分らん」ということではないのかな。
     だいたい早矢仕有的が考案したというわりにはレシピが公表されていないそうである。
     それって、かなりいい加減では?
     ひょっとしたらシチューではなく肉じゃがみたいなものだったかもしれない。
     一見「権威」がありそうでツッコミどころのある説だな。

     ところで、この「ハヤシライス」だが、長らく京都を離れていた丸善が河原町バルの中に再開したが、そこでは「早矢仕ライス」を食べることができる。興味のある方は是非どうぞ。 

    ④林某説。
     洋食屋の店長の林さんがビーフシチュー(ハッシュドビーフ)とご飯を混ぜた賄い料理が起源とする説。
     客による口コミから全国区になった(林子平の姉の子孫が考案したと言う説もある)。

     これも「いかにも」という説なのだが、サンドイッチやマドレーヌといった食べ物が考案者の名前に由来するのを考えれば頭から無視するわけにもいかない。余ったビーフシチューをご飯にかけて賄いにしたというのも、いかにもありそう。
     だいたい、前にも書いたように、私も子供のときはハヤシライスというのはビーフシチューをご飯にかけたものだと思ってましたから。

     ただし、林子平の姉の子孫というのは、いくらなんでも眉唾ではないかな。
     ここまで来ると「いちびるな」という話になってしまう。

    ⑤早死説。
     ハヤシライスは、四足の肉ということで牛肉が受け入れられていなかった時代、このような料理を食べていたら罰が当たる、「早死にする」ということから世間でハヤシライスと呼ばれはじめたとの説。

     これを考えた奴が「いちびってる」のんとちゃうか。
     まともに取り上げる必要も無いのかもしれないが、一応言及しておく。

     「四足の肉ということで牛肉が受け入れられていなかった時代」と言うが、日本人は江戸時代でも四足動物の肉を食べていた。牛、猪、馬、鹿、熊だって食べていた。
     「肉は食わない」なんてタテマエでみんなちゃんと食べていたのですよ。
     江戸時代に「ももんじや」という店があった。これが肉屋の事である。
     猪(ぼたん)と馬(さくら)と鹿(もみじ)があり牛肉だってあった。

     明治になって牛鍋が流行ったのは、日本人が肉の美味さに目覚めたのではなく、それまでひっそりと食べていた牛肉を堂々と食べるようになっただった。

     それはともかく、明治の人は今よりももっと縁起を担いだはずだから、自分の店で出す料理を「早死ライス」などと言うのを許しますかね。
     まあ、受け狙いの説でしょう。

    ⑥早い説。
     明治の日清戦争後に開けた大陸航路の港、門司港の栄町商店街にある大衆レストランが、船に乗る急ぎの客用にケチャップベースの「早いライス」、すなわちハヤシライスとして出したからという説。

     「ハヤシライスは元祖ファストフードだった」わけか。
     でもこれならカレーライスでも早いライスになりそうだな。

     しかしまあ、由来がたくさんあるということは、ハヤシライスというのは気がついたら広まっていたという事でしょうね。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・317】

    谷口年史

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    谷口 年史(たにぐち・としふみ)

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