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    京都ミステリー紀行

    不破哲三さんの面白い本(その2)

    ~「裏」を知るためには「表の事実」を知らねばならない~

     さて、元日本共産党委員長・不破哲三氏の近著『文化と政治を結んで』を読んで、「共産党による事実」を肯定すれば何と「裏の事実が」見えてきて、その「裏の事実」によって戦前の日本は悪いことばかりではなかった、というのがよく分かる。

     元々、私は不破氏がミステリのファンらしいから、この本でもミステリについて言及しているのを期待したわけだ。その期待は裏切られたのだが、不破氏の話が事実ならばそこからその前提になる事実が透けて見えてきた。これが収穫であった。

     この本の最初は前回でも書いたように宮本顕治と宮本百合子の12年に及ぶ獄中書簡である。

    宮本顕治
    日本共産党書記長、同委員長、同議長を歴任

    宮本百合子
    プロレタリア文学作家、日本共産党宮本顕治の妻

     宮本顕治は判決まで投獄されて10年間裁判が続いていたわけだが、これがヨーロッパなら弾圧した相手を10年間も生かしておかないだろう。逮捕された政治犯が10年間も「法廷闘争」を続けられるなんて、西洋から見れば弾圧のうちには入らないのではないか。
     もちろん、一個人が政治的な良心のために投獄されたというのは弾圧と言えば弾圧である。
     逮捕されたとき宮本顕治は25歳で百合子は34歳だったそうである。かなりの姉さん女房だったのだな。当然、敗戦によって釈放されたとき2人とも12年分年を取っているわけだ。そのとき顕治のほうはまだ36歳の青年だが百合子のほうは46歳でその当時の女性としては晩年に差しかかっている。女性の側から見ればこの失われた歳月は大きいだろう。

     何はともあれ、12年間の往復書簡によると、昭和13年7月23日に顕治から百合子に

    「キンシカイジョ ケンジ」(禁止解除 顕治)

    という電報が届いている。
     つまり、面会も文通もそれまでよりは自由に出来るようになったということ。
     そして、官憲に頼めば電報も打ってもらえたのである。
     これが弾圧か?

     宮本顕治の手紙には「バルザックの本を差し入れて欲しい」(昭和9年12月13日付)とか「バルザック全集が手に入らないだろうか」(昭和17年8月24日付)というのもあり、戦争中でも獄中にバルザック全集を差し入れできる可能性があったのである。ヨーロッパでは無理だろう。聖書しか読ませてもらえないのではないかな。しかし、牢屋の中でこんな本を読む気になるという、その強靭な精神力は尊敬に値する。 
     ところで、文通も(あくまで、それまでよりは)自由に出来るようになってから、宮本顕治は百合子に対してかなり厳しいアドバイスをしている。不破哲三氏によって要約されたアドバイスの三番目は現代にも通じるものがある。

    「文筆活動はジャーナリズム依存ではだめだ。ジャーナリズムからちやほやされているときは書けるけれども、それでは、ジャーナリズムの範囲内でしか書けない。この枠はこれからいよいよ狭くなることは間違いない。だから、ジャーナリズムに対応しながらも、本来の仕事は、本当に自由になったときに発表できるような仕事に、今すぐの発表のことを考えないで取り組むことにある」

     前半の「文筆活動」は「反戦運動」でも「市民活動」でも、何にでも交換できる。中々便利なのだ。後半は要するに「地道にやれ」ということ。
     去年も安全保障の法律を通すときに反対していた学生が人気を博していたが、今はもうかなりの人が名前も覚えていないだろう。不破氏はあのとき彼らにこの宮本顕治の言葉を教えてあげればよかったのに、と思う。地道に取り組んで経験を蓄積し、それを次から次へと受け渡して草創期のメンバーがいなくなっても集団として機能していく、という「あたりまえ」のことが出来ないから「一定の役割を果たした」ら消えていく。まあ、実はガス抜きの道具にされていただけかもしれないのだが。

     なにはともあれ、前回でも見たように戦前戦中の日本では共産主義者に裁判での言論の自由が保障され、手紙は保存され、面会も差し入れも比較的自由であったというのが分かる。不破哲三氏の話が正しければそうなるのである。
     ただ、不破氏の話が「正しくない」のではないかと思うのが、リンチ殺人の一件である。

     共産党の公式見解では「リンチ殺人事件」の「真相」は

    「小畑達夫が逃げようとしたので宮本顕治と揉みあいになり、そのさなか小畑が心臓麻痺を起こした」

    ということらしい。
     しかし一方で不破氏は「共産党の懲罰で最高のものは除名だった」と述べておられる。
     だが、それなら何故、小畑達夫は逃げようとしたのか。命の危険を感じていたからではないのか。「逃げようとした奴を取り押さえようとしたら心臓麻痺を起こした」という都合のよい話は信じ難いのだが。
     
     不破哲三氏はミステリを愛読しておられる由。
     是非、もっと面白いストーリーを考えて、「リンチ殺人の真実」とかいうのを発表してくれないものか。
     それよりどんなミステリを読んでいるのか書いて欲しい。まさか松本清張ばかり読んでいるのではあるまいな。でも、鮎川哲也とか言われたらのけぞるかも。
     新聞記者の中には記者会見で不破哲三氏に

    「ジョン・ディクスン・カーの作品では何が一番お好きですか」

    という、まともな質問をする奴はおらんのか。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・219】

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