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    京都ミステリー紀行

    伏見の寺田屋(その3)

    再現ドラマ「ドキュメント寺田屋事件」

     それでは先週の予告どおり、寺田屋事件を再現します。

    再現ドラマ「ドキュメント寺田屋事件」
    制作・谷口年史&犬HK
    提供・京都ミステリー紀行


     

    (ドーン、バーンという効果音と共に)
    再現ドラマ「ドキュメント寺田屋事件」

    (陰々滅々とした音楽が流れる)
    (ナレーション)
     文久2年(1862)薩摩藩主の父親であり後見人であった島津久光が藩兵1000人以上を引き連れて上洛するというので、過激派の勤皇の志士たちがこのチャンスを逃してはならないと、親幕派の関白・九条忠房と京都所司代・酒井若狭守を暗殺し、薩摩藩を押し立てて倒幕の兵を挙げるクーデターを計画した。

     首謀者は公卿・中山忠能の元家来である田中河内介ら浪士10数名と薩摩を脱走した有馬新七ら30数名。

     彼らは4月24日を決行の日と決め、前日の夕七ツ半(午後6時ごろ)までに寺田屋に集合する手はずを取った。メンバーは陸路と水路に分かれて密かに大坂から伏見にやってきた。

     しかし島津久光はクーデターなんてやる気は毛頭ない。それどころか朝廷から「浪士の蜂起を取り締まれ」と命じられ、有馬らの軽挙妄動を押えるべく奈良原喜左衛門と海江田武次を大坂の藩邸に急がせた。しかし。。。

    中山忠能

    (慌しく人が入ってくる音)
    「有馬はおるか!」
    「有馬様ならばとうに伏見に向けてお立ちになりました」
    「なにっ!」
    (低音の衝撃的な効果音)

    (ナレーション)
     一足違いですれ違いになってしまったのである。
     奈良原と海江田は京の久光の元に早馬を飛ばさせ判断を仰いだ。

     久光は首謀者を説得して翻意させるための使者として有馬と親しい9人の藩士を寺田屋に向かわせるよう命じた。過激派の有馬でも友人や知人の意見になら耳を傾けるだろうという配慮であっただろう。ただし、説得しても従わない場合は上意討ちにせよ、との内命であった。
    (風雲急を告げる効果音)

    (ナレーション)
     一方、寺田屋の二階では決起の準備が着々と進んでいた。
    (大勢の男たちが思い思いに喋っている)
     志士たちは5人1組の隊を作り、籠手・脛当てをつけ、畳の上で草鞋を履き、竹串にロウソクを刺して明りの用意もしていた。
     やる気満々である。

     ここに説得のための薩摩藩士9人がやって来たのである。
    (地の底から響いてくるような効果音)

    (ナレーション)
     島津久光の命を受け伏見の寺田屋に説得に向かったのは次の9名であった。

     鈴木勇右衛門、大山格之介、山口金之進、鈴木昌之助、上床源助、奈良原喜八郎、道島五郎兵衛、江夏仲左衛門、盛岡善助。

     9人は京の藩邸を出ると二手に別れ、伏見街道と竹田街道を通って伏見へ急いだ。これは相手がすでに寺田屋を出ていた場合、すれ違うのを防ぐためであった。

    島津久光

    (陰気な効果音)
     時刻は四つ(午後10時半ごろ)、奈良原、道島、江夏、盛岡の4人が寺田屋に到着した。
    (格子戸が開いて4人が中に入ってくる)

    奈良原「誰かおらぬか?」
    手代「何でございましょうか」
    奈良原「有馬新七に話がしたい。取り次いでくれ」
    (手代が階段を上って二階座敷に声をかける)
    手代「有馬様はおいででございましょうか?」

    (二階は集まった男たちの活気でどよめいている)

    「そんな奴はおらんぞ。誰だ、今頃尋ねてきた奴は」

    (ナレーション)
     これが橋口伝蔵の声だと分った江夏と盛岡は二階に上ると柴山愛次郎を見つけ、柴山の他に有馬、橋口、田中謙助の4名と話したいと階下に誘った。
     指名された者は穏やかに階下に下り、奈良原らと対面したのである。
    (緊張感の張り詰めた効果音)

    奈良原「大殿様は軽挙妄動を慎むようにとの仰せである。お上の意図は段々と実現の運びとなっており、望みどおりの結果になりつつある。ここは我らとともに京のお屋敷へ来て大殿様に謁見してもらいたい」
    有馬「早速お目通りはしたいものの、只今、前の青蓮院宮様のお召しがあり、そちらに罷り出るところゆえ、宮様の用事が済んでからお屋敷へ伺いたく存じまする」
    奈良原「いや、今すぐ」
    有馬「いや、後ほど」

    (ナレーション)
     有馬たちにとっては今になって計画を中止するなど出来るはずもなかった。
     双方とも譲らず、徐々に語気が荒くなる。

    奈良原「そこもとら、君命に背くと申されるのか」
    有馬「宮の御用である」
    奈良原「君命に背くなら腹を切れ」
    有馬「たとえ君命であっても宮の御用を果たすまでは死ねぬ」

    (低音の劇的な効果音)

    奈良原「どうしても受けぬのか」
    有馬「どうしても受けるわけにはいきませぬ」
    奈良原「正直に申そう。我らは上意討ちのご沙汰を承っておる。それでも良いか?」
    有馬「それも、やむを得ぬ」

    (ぶるぶると震える不気味な効果音)
    (ナレーション)
     この頃には鈴木勇右衛門ら遅れてきた5人も到着していた。5人のうち山口金之進が談判の席に加わり、残る4人は2人ずつで寺田屋の左右の出入り口を固めた。
    道島「どうあっても受けぬのか!」
    田中「今となっては何と申されようが受けるわけにはいかぬわ!」
    道島「上意!」

    (ナレーション)
     白刃一閃。道島の太刀が田中謙助の眉間を割った。

    (衝撃的な大音量の効果音)

     寺田屋に集まった有馬新七らを説得に来た奈良原喜八郎たちは話し合いがつかず、とうとう刀を抜いてしまったのである。

    (運命的な音楽が流れる)
    (ナレーション)
     眉間を割られた田中謙助はその場に昏倒。眼球が飛び出していたという。
     
    「柴山!」

     間髪いれず、山口金之進が柴山愛次郎に声を掛けると左右両肩を斬り下げた。
     柴山は両手を畳についたまま突っ伏した。座ったまま討たれたわけであるが、柴山には最初から抵抗の意志はなかったようである。

     道島が田中謙助を討ったのを見た有馬新七が抜刀して道島に向かう。討ち合いの末、有馬の刀が折れた。
     死に物狂いの有馬は素手で道島の懐に飛び込むと道島を壁に押さえつけた。

     この時、橋口壮助の弟、吉之丞が階段を降りてきていた。有馬は吉之丞に向かって

    「オイごと刺せ!」

    と叫んだ。
     争いながら壁に密着して動けなかった有馬と道島を見た吉之丞は有馬に言われたとおり二人の身体を串刺しに刺し貫いた。

     ちょうど森山新五左衛門が厠に降りてきたが、惨状を見て脇差を抜き、抵抗しようとしたがすぐに斬り伏せられた。

    (神経を逆なでするような効果音)
    (ナレーション)
     二階に集まっていた者たちはこの騒ぎに気づかなかったのである。門出の酒を飲んでいた者、興奮して喋り捲っていた者など、座敷は喧騒に満ちていたため下での騒ぎの音など紛れてしまったのであった。
     弟子丸龍助はふと下の気配の異常さに気がついた。様子を怪しんで階段を降りてきたところを大山格之介が横に払った刀で腰を斬られ、手負いのまま戦ったが斬り倒された。

     橋口伝蔵は大山に足を斬られたが、橋口というのはは勇猛であった。
     片足で飛び回るように斬り込むと鈴木勇右衛門の耳を斬りおとした。息子の鈴木昌之助が橋口に向かい合う。橋口は数ヶ所の傷を受けながらも数人を相手に斬りむすび、壮烈な抵抗の末に倒された。

     西田直五郎も異常に気づいたのか、刀を抜いて階段を下りてきて廊下を覗き込んだ。そこを上床源助に下から突かれて転げ落ちる。西田は起き直って戦ったものの討たれて倒れた。

    伏見寺田屋殉難九烈士之墓大黒寺
    京都市伏見区鷹匠町4

    (不気味な音楽が流れる)
    (ナレーション)
     上り口から土間に掛けて9人の死体が散乱する壮絶な有様となった。しかし二階の者たちはこれに気づかなかったのである。
     
     しかし、惨状に慌てふためいた寺田屋の者たちが表に飛び出して悲鳴を上げた。この悲鳴が表に面した二階座敷に聞こえ、二階の男たちは初めて異常に気づいた。
     気づいたものの、伏見奉行所の捕り手が乗り込んできたものと勘違いしたのである。
     全員一斉に武器を取って階段に殺到した。

     それを見た奈良原喜八郎は階段下から一同を制すると、大小の刀を投げ出し、諸肌を脱いで上半身裸で合掌して叫んだ。

    「上意じゃ! これは上意じゃから。やめてくれ、頼むからやめてくれ! 頼む、頼む!」

     丸腰のままたった1人で二階へ上った奈良原は「頼むからやめてくれ」と必死で説得し、過激派たちを翻意させた。

     奈良原について階段を下りてきた薩摩藩士たちは、階下の惨状を目の当たりにして戦意を喪失したという。

    (陰々滅々とした音楽が流れる)
    (フェイドアウト)

     とまあ、これが「再現ドラマ・寺田屋事件」なのだが、いくつかツッコミどころがある。それはまた来週。

    【言っておきたい古都がある・270】

     

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