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    京都ミステリー紀行

    仏の迷い道(その12)

    ~聖は俗より出でて俗より俗~

     さて、江戸時代の笑話集『きのふはけふの物語』をネタ本にした話を続けているわけだが、何もこの本は「アンチ坊さん」という訳ではない。色々な「笑い話」を収録しているけれど、まあ坊さんネタが多いということ。
     で、今回の最初は「坊さん以外のネタ」をひとつ紹介しておこう。
     「下の22」のエピソードである。

     ある男が他国の女を嫁にして久しく暮らしていた。ところが愛情がなくなったわけでもないのに止むに止まれぬ事情で離婚しなければならなくなったのである。そこで旦那さんが奥さんに

    「お互い嫌いになったわけではない。いずれ事情が許せば再婚も出来る。帰郷するのに何でも好きなだけ持って行くがいい」

    と財宝を積み上げた。
     すると奥さんは

    「今回のような事情があれば貴方様が謝る必要があるでしょうか。このような財宝の中に私の欲しいものは何もありません。」

    と答えた。
     旦那さんのほうは「それなら欲しいものは何でもやる」と誓約書を書いた。
     そうしたら奥さんが、

    「本当に私の欲しいものは何でももらえるのですね」

    と念を押してから

    「私が欲しいものは、あなた」

    と言って旦那さんを担ぎ上げて馬に乗せ、一緒に国へ帰っていきましたとさ。

     『きのふはけふの物語』にはこのような「ほのぼのとした」話も載っているのである。
     しかしこの夫婦、何故離婚しなければならなかったのだろうか。
     その理由は書かれていないが、恐らくこの旦那さんに国と奥さんの国が戦争状態になったのではないか。お互いの身の安全のために離婚という形を取ったわけである。「いずれ事情が許せば再婚する」というのも戦争が終れば復縁するということだろう。一種の偽装離婚かな。

     ということでお坊さんネタに戻ろう。「下の37」である。

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     あるお坊さんがお参りの帰りに「思いがけず」傾城町(遊女街)を通ってしまった。衣の裾を引かれて「嫌々ながら仕方なしに」登楼した。
     事が終って帰り際、その日にもらったお布施を出して「まあ、これだけだか」と遊女に渡そうとしたら、相手は

    「今日は私の親の命日ですので、お金は私からのお布施としてください」

    と受け取らなかった。
     坊さんは喜んで、

    「ああ、それは何よりのご供養。そうと知っておれば袈裟を掛けたままやりましたのに」

    と言ったんだとさ。

     そもそもこの坊さん、檀家の法事の後に「思いがけず」(=うっかりと)風俗街を通ってしまうなんて、有り得るか?
     そんなもん、最初からわかっとるやろう。

     まあ、現代でも、門を閉めたあと、拝観料を鷲摑みにして祇園へ「ご出勤」なされる坊さんもおられるが。
     
     生まれながらの坊さんというのは存在しない。みんな最初は俗人なのである。それが出家して修行をして聖人になるわけだが、「聖」ではなく「性」を極めてしまうのでありましょうか。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・172】

    付録
    『きのふはけふの物語』
    下の22
    有人、他國より女房をよふで、久しく添ひけるが、心ならず此女房ををくりけるとて、「飽き飽かれたる中でも候はねば、御恨みもあるまじく候。縁盡きず候はゞ、又、迎ひいたし。何なりとも惜しくほしき物を取りて歸り候給へ」と、さまざま積みければ、女房きゝて、「仰のごとく、飽かれて出候とも、何か恨みの候べし。まして故有御事なれば、御ことはりにも及ばず候。又、この寶のうちに、欲しき物はなく候。我々身にかへても惜しき物の候」といふ。
    「此上は何なり共御望み候へ。かなへ申さん」とて、誓文をたてきかせければ、「さては偽りではなひ。さらば御共申。惜しき物は、見よ」とて、馬に抱き乗する。
    誓文の上なれば、理につめられ是非に及ばず、それより五百八十年契りける。
    「女にもかやうに知恵のふかうてやさしきものゝあり」とて、人みな感じけり。
    きのふはけふの物語
    下の37
    有出家、思ひよらず傾城町を通れば、やがて衣の袖をひかれ、是非に及ばず祝言をつとめて、出でさまに、布施にとりたる物を、「是しきなれを」といへば、傾城これを見て、「はやく、今日は我ら親の日にて候ほどに、それまでも御座らぬ」とて返しければ、出家きゝて、「それは何よりの御心ざし、ありがたう候。さあらば、袈裟をかけていたさう物を」といはれた。

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