華やかな出町柳のおかめ桜/長徳寺
河津桜に先んじることはまずないが、
京都の春を告げるのは出町柳のおかめ桜だという人がいる。
おかめ桜は山門の前にあって、その前はバス停である。
川端通を通過する人で、気のつかない者はいないだろう。
鮮やかな薄紅紫がたわわに重なり、遠目からも分かるほどに濃い桃色を見せる。
更に、西日に照らされると、見事な発色を示すのである。
青空の下、
川端通の柳の新芽とのコントラストに目を奪われるのは小生だけではあるまい。
数羽のメジロがやってきた、
枝から枝へと甘い蜜を求めて飛び交う一羽を捉えた。
怪訝そうにこちらを覗っている。
「小生は敵ではないよ」と、信号を送ってみた。
おかめ桜は、寒緋桜と豆桜の交配種の桜(英国人イングラム)だという。
花は小ぶりで下垂れしている。
超早咲き桜というので、百万遍知恩寺のふじ桜と並んで、毎年決まって話題に上る。
おかめ桜の南向かいに地蔵堂がある。
いくら急くからといっても、ここに映るおかめ桜も見落とさないで貰いたい。
もちろん、お地蔵様には合掌を忘れないで。
長徳寺
京都市左京区田中下柳町34-1
075-781-3080