西陣の紅しだれを楽しむ / 水火天満宮
京都人なら誰もが知っている西陣の桜のひとつであるが、近年観光バスが堀川通に停車する。
関西ウォーカーさんも嗅ぎつけて紙面で紹介するようになった。
確かに、その薄紅色は目にも鮮やかで印象に残るだろう。
( 左/一ヶ月前 紅梅白梅が咲き紅しだれの蕾が固い。 右/梅が終わり、バトンタッチした紅しだれ。)
手狭な境内にドカドカとやってこられると、普段の桜を楽しむ京都人にとっては迷惑な話で、メジャースポットの名所だけにしておいて貰いたい感がある。
宮司さんも元より観光客などを想定しない訳で、拝観料を取るわけでなく、神社グッズの販売促進をしているわけでなく、神社参拝が目的でない花見の一見さんなのでお札やお守りを授かることも見られない。
僅かなお賽銭があればまだましなほうであるが、そんな気遣いができる日本人も少なくなっているように見受けられる。
かといって、拝観を止めるわけにもいかない。参拝の方は最低限のマナーは身につけて置いてもらいたい。
宮司さんが口にするのは憚ることだろうから、発してみたくなった。
他人さんの地所に黙って入り、無償で見物させて貰うのだから、
「静かに、挨拶と感謝の姿勢を忘れず、
せめてお賽銭をあげておまいりするなり、
ご朱印をいただくなりして、境内を観賞させてもらうことである」
これなら美しい心の姿が伝わる。
拝観料を徴収して事業収入をあげている宗教施設への観光ではないことを知って貰いたい。
雑誌社やマスコミはこういうことを言えず、肝心のメッセージが欠落しているのも情けない時代である。
小言じみたことを書いてしまったが、菅原道真公は素知らぬ顔して、黙って見られていたように思う。
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