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    京都ミステリー紀行

    中世トリビア(その11)

    ~女性の権利は守られていた~

     前回までは『沙石集』のなかから主にお坊さんに関する話を取り上げてきた。まあ、おおむね呆れ返った坊主の話ばかりだったが、時代が変わっても人間のやっている事は大して変わっていないというのが分かったら、それはそれで妙に安心してしまうのではなかろうか。今が800年前と同じならば、800年後も今と同じだろうと。現代だって大酒呑みの管長や拝観料を懐に祇園へ繰り出す住職がいるではないか。800年後もまた然り。

     さて、今回は趣向を変えて女性の話である。
     『沙石集』巻第7ノ1に次のような記述がある。

    「人の妻のさらるるときは、家の中のもの心に任せて取る習いならば」

     これは、奥さんが離婚を宣告されて実家へ帰るとき、旦那さんの家の中にあるものを好きなだけ持ち出してよかったということ。

     奥さんには何の落ち度もないのに、旦那さんから一方的で理不尽な離婚を言い渡されたら、その代償として旦那さんの動産を分捕ることが出来たのである。
     ただし、これは奥さんが手に持てるものでなければならない。たとえば、そこの火鉢が値打ち物だから持って帰りたいと思っても、奥さんには重すぎて持ち上げられなかったら持って帰るのは不可だった。
     しかし、着物を全部持ち出してその分軽くなった箪笥を奥さんが「ウォーッ」とばかりに持ち上げたら、それは奥さんの物になった。

    三行半--別れたくなったから、離婚します。確かに。 離婚したからには、相手がどこに行こうと関係ない。 後々面倒なことになっても困るから、これ書いてます。
    三行半–別れたくなったから、離婚します。確かに。
    離婚したからには、相手がどこに行こうと関係ない。
    後々面倒なことになっても困るから、これ書いてます。

     このように、言われなき離婚の腹いせに旦那さんの家の中をスッカラカンに出来たのだ。
     これは法律で決まっていたわけではないが、理不尽な離婚を強いられた奥さんの当然の権利として社会に認知されていたのである。
     もちろん、これはあくまでも奥さんに落ち度のない場合。たとえば、奥さんのほうが愛人を作って家の金を貢いでいたのがばれました、なんて場合はこの権利はありませんので。念のため。

     有体に言えば、日本がわれわれのイメージにある男尊女卑の社会になったのは明治になって西洋の男性優位の考え方が入ってきてからである。それまでは女性の社会的地位が低かったのは確かだが、決して虐げられていたわけではない。
     もうひとつ、今回のタイトルからは外れるが、江戸時代の話である。

     これは前にも書いたことがあるのだが、江戸時代は旦那さんが「三行半」(みくだりはん)を書いて奥さんに渡したら離婚が成立したというのは間違い。
     三行半を渡しただけでは離婚は成立しなかった。

     ではどうなのかと言うと、三行半を渡された奥さんが「返し一札」という三行半の受取証を旦那さんに渡して、それでようやく離婚成立だったのである。
     つまり、離婚する場合は夫婦間で証文を取り交わさねばいけなかった。

    一札 一我等娘婦左与申者此度年季給金相□〆
    一札
    一我等娘婦左与申者此度年季給金相□〆

     そりゃそうでしょう。江戸幕府の法律では男女とも再婚するにはちゃんと離婚していなければならなかったのである。重婚は犯罪だった。
     もし旦那さんが三行半を渡しただけで離婚が成立するなら、三行半を持っている奥さんは何の問題もないが、旦那さんのほうはちゃんと三行半を渡して正式に離婚したというのを証明するものが何もないことになってしまう。
     万が一、奥さんのほうが悪女で、後になってから再婚した旦那さんを訴えて「三行半を貰っていないから離婚していない」と虚偽の陳述をされたらアウトである。
     そういう混乱を防ぐためにもお互いに文書を取り交わさねばならない。
     もしも奥さんのほうが何かの理由で離婚したくなければ、返し一札を書かなければ良かったのである。

     さて、『沙石集』に戻ると、巻第7ノ11には夫に苦しめられていた妻が(これって家庭内暴力=DVかな?)地頭に訴え出て、離婚を認めてもらったという話がある。
     昔から「泣く子と地頭には勝てぬ」と言って、地頭というと横柄なイメージがあるけれど、実際はそんな人ばかりではなかったのだ。
     やはり常識というのは、たまには斜に構えて見直したほうが良いのだろう。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・142】

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