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    京都ミステリー紀行

    陰陽師の真実(完結編)

    ~土御門一族は歴史に勝った~

     安倍晴明の子孫である土御門一族は織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3人が織り成した時代を潜り抜けついに京都への復帰を果たした。
     しかし、江戸時代になると幕府の天文台が出来て、日食と月食を予測する仕事は幕府の天文方の手に移ってしまう。
     貞享12年(1685)に陰陽師ではない天文学者の渋川春海が幕府の天文方になり、この分野での陰陽師の役割は終ったかに見えた。
     実際、春海は元禄8年(1695)に地球儀を、そして元禄10年(1697)には天球儀を作っている。
     しかし、暦(カレンダー)の出版権は依然として土御門家が握っていたのである。中々しぶとい。

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     このしぶとさを発揮したのが土御門泰福(やすとみ)であった。
     この人、ただ単にしぶとかっただけではない。何と、天和2年(1682)に「全国で陰陽師を名乗る者は全て土御門家の認可を受けなければならない」という勅許を得ているのである。
     新たな利権の創出だな。

     このテーマの連載の始めのほうでも書いたが、国家公務員としての陰陽師のほかに民間の陰陽師もいた。江戸時代になればその数もかなりのものになっていただろう。
     その民間陰陽師たちを支配する権利を朝廷から貰うことに成功したのだ。恐らく、かなりの小判を積んだのではなかろうか。
     
    さて、年代に注目していただきたい。泰福がこの利権を手に入れたのは渋川春海が幕府天文方になる3年前である。中々の先見の明ではないか。
     泰福は時代の流れを読んでいた。どう足掻こうとも天体観測による日食と月食の予測という職務権限は幕府に取られてしまう。これは避けようがない。そこで全国にいる民間陰陽師に目をつけ、その連中からの上納金をせしめる作戦に出たのであった。
     土御門家があっさりと職務権限を手放したのは、この新しい金蔓が出来たからだと私は考えている。

     改革で不利益を蒙るからといってただ「反対」を叫ぶのではなく、変革は受け入れた上で、その後の新しい情況にどのように対応するかを考える。これをやり遂げた土御門泰福はやはり大物である。

     しかしながら、世の中はそう甘くはない。
     泰福の息子である土御門泰邦(やすくに)は暦を作る権限を取り戻そうと目論むのだが、これが裏目に出る。
     8代将軍徳川吉宗は西洋流の天文学に基づく改暦をしようと西川正休(まさよし)を天文方にし、準備を進めさせた。
     しかし土御門泰邦は正休の新暦法稿本を酷評、つまりボロカスに批判したのである。泰邦と正休の関係はかなり悪かったように思えるのだが、実はそうでもなかったという説もある。
     身も蓋もない説では、泰邦も正休も、2人とも暦算の知識は不十分だったという。
     これで大丈夫かと思われるでしょうが、大丈夫ではなかった。

     徳川吉宗が死ぬと西川正休は失脚。土御門泰邦が実権を握る。
     そして宝暦4年(1754)宝暦暦を完成させるのだが、これが不完全だった。

    宝暦13年9月1日の日食の予報に失敗したのである。

     泰邦さん、大チョンボ。

     お父さんの泰福さんがせっかく利権だけは確保してくれたのに、息子は欲深く改暦の権限まで取り戻そうとしてコケてしまった。

     まあそれでも土御門家というのは江戸時代を乗り切り、明治維新の後は江戸時代最後の当主・晴雄(はれたけ)の婿養子になった土御門晴栄(はれなが)が明治17年(1884)に子爵になっている。
     ただ、これでも苦労の連続で、明治になって幕府の天文方がなくなると改暦の権限を取り戻したのだが、明治3年(1870)には陰陽寮そのものが廃止されてしまう。
     その後、明治政府から天文暦道御用掛を命じられたものの、天文暦道局の本局が東京に移転されることになったため、京都の土御門家はその出先機関のような扱いになってしまった。
     さらにその後、天文歴道局が星学局に改組されるにあたり、京都星学局出張所は廃止されることになり、晴栄も明治3年末に大学御用掛を解任されてしまう。
     こうして土御門家は全ての利権を失った。
     お気の毒としか言いようがない。

     それからの苦労は想像に難くない。多分「貧乏公家さん」だったのではないかと思う。
     でも、陰陽道の神様は土御門家を見捨ててはいなかった。
     
    晴栄の最晩年、明治33年(1900)に貴族院議員になったのである。

     晴栄さん、貴族院議員を三期務め、大正4年に現職のまま56歳で亡くなっている。

     この土御門晴栄の御子孫が現在でもおられる由。陰陽師があれだけブームになったときでもテレビや週刊誌に出なかったところをみると、今でもかなり上流階級に属しておられるのではないかと思う。
     何はともあれ、土御門家は歴史の波を乗りこなし、勝ち組になったと言えるのではなかろうか。
     ご先祖の安倍晴明もきっと満足しておられるだろう。

    「陰陽師の真実」(完) 

    【言っておきたい古都がある・131】

    土御門 泰福(つちみかど やすとみ)
    明暦元年6月20日(1655年7月23日)-享保2年6月17日(1717年7月25日))は、江戸時代前期の公卿(非参議)・陰陽家。土御門泰広の子でその弟隆俊の養嗣子とされているが、実父を隆俊あるいは泰重(泰広・隆俊の父)とする異説もある。子に土御門泰誠・泰連・泰邦ら。一般には土御門神道の祖として知られている。


    土御門 泰邦(つちみかど やすくに)

    正徳元年8月8日(1711年9月20日)-天明4年5月9日(1784年6月26日))は、江戸時代中期の公卿・陰陽家。土御門泰福の末子。兄泰連の養子。墓所は京都梅小路梅林寺にある。

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