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    京都ミステリー紀行

    家尊人卑(その11)

    ~武家の正室に男尊も女卑もなかった~

     前回は豊臣秀吉の奥さんである北政所を取り上げたが、この人が決して例外的な存在ではないということを証明しなければならない。まあ要するに「他にもこんな例があります」というのを出せばいいわけだ。
     

     実際、「昔の日本は男尊女卑だった」と言われるわりには考えられないような重要な役割を女性が果たしたことがある。

    阿茶局 徳川家康の側室・須和
    常高院、浅井三姉妹の一人初(あざい はつ)
     

    大坂冬の陣のとき、両軍を代表して講和条約の交渉に当ったのは双方とも女性であったということ。

     徳川側は阿茶局(あちゃのつぼね)、豊臣側は常高院。
     阿茶局は徳川家康の愛妾、常高院はお初、つまり淀君の妹でお江(小督とも書く)の姉である。常高院には大蔵卿局も同道していた。
     この和平交渉の最中にも徳川方は砲撃を続けているのである。
     本当に日本が男尊女卑だったならば、命がけで戦っている侍たちが、「女が戦争をやめる話し合いをしている」なんて状況を許すと思いますか。

     しかも冬の陣の時、淀君は大蔵卿局と供に大坂城内を叱咤激励して歩いたという。
     いくら一番偉い女性であったとしても、男尊女卑だったとしたら戦っている男たちは「静かに引っ込んでてくれ」と言ったはずだが、この「励まし」も受け入れられている。
     これは淀君が気のきつい人だからやったのではなく、「こういうときにはこうする」という女性の役割があったからではないのか。

     和平交渉でも徳川の方が女性を出してきたから豊臣のほうも同じランクの女性を出して交渉に臨んだのだといえる。

     これが男尊女卑ですか。
     男尊女卑なら和平交渉も男同士でやるだろう。女の出る幕無し。
     しかし日本では女性が正面に出てきているのだ。
     
     武家の女性には果たすべき一定の役割があった。そしてそれは「男社会」でも認知されていた。
     こう考えないと辻褄が合わない。

     常高院(お初)は京極高次の奥さんだったが、高次は関が原の時は東軍として大津城で戦い、西軍の猛攻にあっさりと城を見捨てて高野山に逃げた。
     あたりまえなら切腹物なのだが、お初さんの根回しにより徳川家康が40万石の申し出をしている。ただし、高次はよほど気が小さかったのかこれを受けず、奥さんのお初さんから散々尻を叩かれてようやく若狭の小浜に8万5千石をもらって、たったこれだけで満足していたという。
     
     このお初さんの活躍を見ると、武家の正室に期待された役割が分かるような気がする。京極高次がお初さんとの結婚前と結婚後ではどう変わったか、そのビフォー・アフターを見てみよう。
     題して、

    <あっぱれ京極高次一代記>

     高次さんの人生は、下克上の中で京極家は分家の六角氏に押されるわ、北近江以外の領地は尼子氏に奪われるわ散々であった。しかも家臣の浅井氏に実権を取られてしまっていた。
     高次さんは浅井が滅亡すると織田信長について5千石の知行をもらったのである。
     
     信長が本能寺で死ぬと明智光秀の誘いに乗って挙兵し、秀吉の本拠であった長浜城を攻めたものの、光秀は山崎で敗れて死ぬ。
     秀吉の怒りを恐れた高次さんは柴田勝家のもとに逃げた。

     ところが勝家も賤ヶ岳で破れる。
     高次さんはまたも逃げて妹の嫁ぎ先である若狭の武田元明のもとに行ったのである。

     ここで高次さんは元明の奥さんになっていた妹を秀吉の側室として差し出す。(なりふりかまわぬ保身)
     美人の人妻を側室にもらって喜んだ秀吉は高次さんを助命して2千5百石を与えた。
     この時差し出された妹が松の丸さんである。

     そして高次さんはお初さんと結婚。

     関が原の時に大津城で戦ったものの、西軍の猛攻にあっさりと城を見捨てて高野山に逃げた。
     本来ならこの敗戦責任を問われるはずが、「西軍の軍勢を大津に引きつけて関ヶ原へ向かわせなかった」功績が認められたのである。
     
     高次さんは家康の使者が高野山に来ても最初は下山しなかった。下山したら責任を取らされて殺されると思ったらしい。
     最終的に「功績」が認められたのは奥さんのお初さんによる根回しだった由。
     実際、高次の籠城により足止めされた毛利元康および立花宗茂らの大軍勢は移動に時間がかかったため、関ヶ原に参陣することが出来なかったわけだから、まあ功績と言えなくもない。しかし結局は城を捨てて逃げたわけだから。
     やっぱり小心者?
     それとも臆病者?

     何はともあれ、逃げたけど「功績」があったので8万5千石もらっちゃいました。

     お初さんと結婚前の高次さんはやる事なす事すべて裏目に出ていた。
     結婚後は逃げても功績になった。

     これはお初さんがいわゆる「あげまん」だったからでしょうか?

     そうではなく、お初さんはスカタン高次さんの正室としての役割を果たし、「お家」を守ったのではないのか。
     逃げた高次さんが「功績」を認めてもらったのは正室お初さんの「外交手腕」によるものではないでしょうか。
     そしてそれが正室に求められた役割だったのではないか。

     
     決して男尊女卑ではなかった。
     女性にも男性と同じように「家を守る」役割があった。
     そう。家尊人卑なのである。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・286】

     

    谷口年史

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    谷口 年史(たにぐち・としふみ)

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