午前3時の火祭り / 岩倉火祭
京都市無形文化財に指定されている岩倉火祭は、
毎年10月23日に最も近い土曜日の未明に、 石座神社で行われる。
以前は、時代祭のあとの鞍馬の火祭が終わった27時に行われていて、
火祭り好きはハシゴしたものだ。
石座神社は実相院門跡が目印となる氏神さんである。
松明に火が入るのは、明け方の2時半ごろで、雨天決行である。
おおよその次第はこうだ。
2時~ 石座神社にて朝神事・御神楽が奉納
3時~ 大松明に点火
5時半 神輿が発御(神幸祭)
7時 神輿が御旅所(山住神社)に着御
14時半 昼神事
剣鉾と神輿渡御
16時半 還幸祭
むかし、石座に雄と雌の大蛇が住んでいて住民に大きな危害を加えていた。
神前の灯火で退治せよとのお告げの通り、
松明に神火を点すともう2度と大蛇は現れなかったそうである。
社の左右に雄、雌の松明があり、その背に一直線に縄の結び目がある。
結び目の数は12、閏年(うるうどし)には13個となる。
宮座に横たわる松明は大蛇に見立てたもので、
全長12メートルの松明の頭は、四人抱えとなる太さだ。
小松明から大松明に火が遷るのは明け方3時ごろとなる。
観光客などいるはずもなく、氏子らの姿しか見られない。
「岩倉火祭」は素朴でひなびた心温まる祭で、見せる為のものではない。
氏子達が楽しみ願い感謝する祭の原型が見られる。
祭礼は旧岩倉村6か町から構成される「宮座」によって執り行われ、
「鞍馬の火祭」で松明の製作や祭りを担う「大惣仲間」等の組織と同種で、
伝統的な祭祀組織が残っている。
大学生アルバイトはいないということである。
岩倉火祭
■開催期間: 2017/10/21日(10月23日に近い土曜日) 午前2時~6時半
■開催場所: 石座神社 (京都市左京区岩倉上蔵町302)
叡山電鉄「岩倉駅」北1km 岩倉実相院北側
(※早朝のため、電車がありません。タクシーの利用必須)