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’93年11月号「すべての酒のみのために」[12]が本誌の「夜・酒・男」の原点か。今年の3~6月号も表紙を手がけてくれた、渡辺チカラさんが表紙イラストを寄せてくれている。
’94年4月号「中古屋」特集[13]。この号のバックナンバーが飛ぶように売れ、後の「中古屋Ⅱ(’95年3月号)」「中古屋Ⅲ(’97年4月号)」や、古着特集への布石となった。’94年でいうと、10月号「パスタが好きだ」[14]。最近でこそ、「イタリアン」という呼び名が浸透したし、それこそ何十軒も取材してきたが、イタリアン特集の始点はこの号かも。後半には千原兄弟のインタビューも。
千原兄弟登場
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「雑誌の売れ行きは、テレビで言う視聴率と同じだ」と僕は常々言ってきた。「売れ行きを気にした雑誌づくりをすると、負のスパイラルに陥ってしまう」としても。マーケット優先ではなかった本誌の、ひとつの転回点がこのあたりだったような気もする。返本という負の遺産を「バックナンバー」として再販し、丸山書店の北白川店で、ひと月に500部近く売れたのが、結構大きな出来事だった。