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明けて’02年、世間は日韓W杯で大騒ぎ。僕も常以上バタバタしていたような記憶もあるが、それはこの別冊のせいでもあった。本誌史上初となる「本気で売ってやろうぜ!」という別冊の発刊だった。’02年10月号別冊「近頃の町家編」[30]。大手出版社にも負けないものを、書きたいだけ、撮りたいだけ、贅沢にやろうという気概で臨んだ一冊である。この頃、他にも町家本はあったが、繰り返すが、後に猛威を振るう「何でもかんでも町家」「町家は売れる」的なアプローチではないことだけは、付け加えておきたい。むしろ本誌は、この後、町家(と、そこにまつわるいろんな意見や評価や現実)を当たり前のものと認識し、特集は組んでいない。個人的にも、この別冊の原稿は今でもひとつのマイルストーンとして読み返す。この後、’03年5月号別冊「祇園」・’03年9月号別冊「エリア特集」・’04年1月号別冊「京みやげ」・’04年8月号別冊「訪ねやすい京の町」・’04年10月号別冊「喫茶ロマン」と、「京都ブランド」と名付けた別冊シリーズを発刊した。
[別冊 京都ブランド]