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そして’97年1月号、本誌初めての特大号「おいしいトコ行きたい!」[18]。これまたこんなタイトルは今なら三流雑誌でも付けまいし、ページ数を増やし、背表紙を付けて、前年の特集を再編集しているだけだが、飛ぶように売れた。実売率が確か97%とか、とんでもない数字だったと思う。翌年の特大号は河原町蛸薬師にあった「丸善」に、一気に1000冊が並んだ。この後、毎年年末はこの手法で特大号を出し、それは今年まで続いている。
表紙や特集ページに女の子のモデルちゃんを使うことも増えた。「売れるんなら、女性誌にしてしまってもいいじゃないか」と考えていた。3月号「夜の一件目に選ぶお店特集」[19]もよく売れた。「やっぱ、酒飲んでメシ食って…っていうニーズは高い」と実感した。ちなみに、読者の方から「これ、『一件目』じゃなくて『一軒目』じゃないの?」というお電話があり、「いやぁ、飲みに行くことを『ひとつのイベント』と捉えてるんですよー」なんて苦しい説明に、笑って「なるほどぉ」とおっしゃっていただきましたが、えぇっと、間違いでした。