祗園枝垂桜のまわりで花見酒
円山公園は、明治維新までは八坂神社(当時は祇園感神院)や円山安養寺の境内の一部であった。
明治初年の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって土地が政府に没収され、
明治19年(1886年)に総面積約9万平方メートルの公園が設けられた。
明治20年(1987年)には京都市へ移管され京都市初の都市公園となり、
園地計画は武田五一がまとめた。
人工鉱泉療養所や貸席がたちならび歓楽境をなしていたが、火災で焼失したあと大正元年(1912年)に小川治兵衛により池泉回遊式の日本庭園が作庭され現在の形となった。
円山公園の枝垂桜は「一重白彼岸枝垂桜」(ひとえしろひがんしだれざくら)という品種で、
初代の枝垂桜は昭和22年(1947年)に枯死したため、現在は2代目が植えられている。
花見のシーズンにはライトアップが行われ、深夜でも花見客の姿が見られる。
ここには花冷えはないのかもしれない。
円山公園内の熱気と花見酒のほろ酔いがほほを染め、篝火がテンションをあげてくれている。
勢い同僚や友との語らいにも弾みがついているようだ。
花見には三春、梅、桃、桜とある。
それぞれを愛でて、春の成立となるといわれる。
その役割も違い、梅見は一人、あるいは二人のごく親しい間柄で行く。
桃見は家族連れで家族の親睦を深める。
で、花見、観桜といえば、長屋単位、店単位で繰り出して、どんちゃん騒ぎをやる。
つまり社会的なつながりを深める親睦会と、今昔変わらぬようである。
円山公園・祇園枝垂桜
京都市東山区円山町