Revolutionary Kyoto:'70s ロックシーン

SPEED GLUE & SHINKl

ロックはオリジナルであるべきだ !

彼等の結成は ’70年秋にさか上る。日本のロック・
ギタリストNO.1陳信輝とベーシストNo.1加部正義がフード・ブレイン解散後、
新しいドラマとヴォーカリストを探していた処、
フィリピン出身のジョーイ・スミスが彼等の前に現われた。
2人は彼の凄じい程のドラミングとヴォーカルを聞いて
即座にメンバーにする事を決め、
ここに新しい日本のハード・ロック・グループが誕生した。
日本のロック・グループの欠点はリズム・セクションとヴォーカルの弱さにあるのだが、
ジョーイ・スミスと加部正義の織りなすヘヴィーで多才なリズム、ジョーイ・スミスのヴォーカルは、
今までの日本のロック・シーンにはない
アメリカ・イギリスでの可能性を感じさせる。
’71年1月から3月までレコーディングに費やし、
全曲オリジナルのLPを製作、いよいよ世界こ飛び出す事になった。
グループ名は3人の愛称をとって陳信輝が名付けた。
(スピード・ジョーイ、グルー・加部正義、シンキ・陳信輝)
3人共スマートな長身、ルクスも抜群である。

陳 信輝

リーダー、ギター担当、1949年生れ、中日混血身長179cm 体重59kg
好きなミュージシャン …   エリック・クラプトンジェフ・ベック、フランク・ザッパ
通称シンキ。4年程前、パワーハウスの前身、ベベズに参加、
横浜では天才的ギタリストとして凄い評判だった。
パワーハウス時代日本のエリック・クラプトンとして人気を集め、東芝でレコーディングした事もある。
パワーハウス解散後、元エイプリル・フールのオルガニスト、柳田ヒロ、
元ジャックスのドラマー、角田ヒロ、
元ゴールデン・カップスのベーシスト、加部正義らと
フートブレインを結成、日本のスーパー・グループとして人気を集めた。
その時のLP「晩餐」は全曲オリジナルから成り、注目された。
ヨーロッパでもドイツ・グラムフォンより発売、好評である。
’71年新しいグループ、スピード、グルー&シンキを結成今日に至っている。
彼のギターは最初のジェフ・ベック、エリック・クラプトンのコピーだったが、
最近は完全に自分のスタイルを確立、
優れた音楽性と高度なテクニックを持ったギタリストに成長した。

加部正義

ベース担当、1948年生れ、日仏混血 身長183cm、体重55kg
好きなミュージシャン … ジャック・ブルース フランク・ザッパetc.
通緑ルイーズ・ルイス・加部 陳信輝と同じように横浜出身、
日本を代表するベース・プレイヤー。ルクス、テクニック共に最高。
彼が通りを50m歩いただけで何十人の若い娘が群がる程人気がある。
ベベズを経て日本の代表的ロック・バンド、ゴールデン・カップスを退団後、
陳信輝らとフード・ブレインに参加、素晴しいベース・プレイを披露した。
彼のプレイは天才的なヒラメキがあり、ベースばかりでなくギターも大変巧い。
日本のベース・プレイヤーの中では数少ないインターナショナルに通用するベーシストである。

ジョーイ・スミス(Joey Smith)

ドラム、ヴォーカル担当、1947年生れ、英比混血 身長185cm 体重60kg
好きなミュージシャン ジンジャー・ベイカー グレイトフル・デッド
’70年来日、上記の2人とグループを組む。
日本人にはない大変ヘヴィーなドラミングでこのグループを盛り上げている。
ニール・ヤングに似たルクスと派手なステージ・アクションが売り物。
ドラムばかりでなくギターもやる。

ルー&B29


コウジ(ボーカルル+ハーモニカ)、ユージ(ベース)、ビショップ(ドラム)ルー(ギター)

ロック・コンサートなんか、免罪符をもってなきゃ許されないなんておかしいよ、
解放もいいけど自由さを大事にしたいな

テリー(寺田)

魚を食うってのは嫌やなもんだな。水の宮だからかな。だから山より海が好きなのかな。女性的なのかな(ウーマンリブのおばちゃん、おこらないでね)なんたって、責めるっつうのはよくないね。自分を水平化しちゃうもんね、それは美学的にのたまわってもよくないもの。美学や芸術なんて細胞ガンみたいに、いやらしいデキもののくせに、俺たちを撮りまわしやがる。振りまわされてるのはみんなで、誰一人例外なく役が与えられているんだ。無理するのもいいけどひらきなおってもみようぜ.フィーリング・フィーリングなんてみんないっちゃってるけど俺の気持ちとしちゃ、いやあな感じだねえ。平賀君なっていってたけど、体制が組みこんでしまうんだねえ。フィーリングも、非体制的風俗も、考えてもみようよ。レコード会社製作のロックレコードのパンフなんか、いやらしい典型じゃないかねえ。いわく「ブルースギターの神様B・B KING」だの「現代の非義理に挑戦する云々」いや、それをあきらめてしまったらいいのかも知れないけど、俺っちなんかグズだからねえ。
ところで、こないだ御所へ二・三年ぶりでいったらという話だけどね、少しは変わってるね。
以前、フォークグループが練習やった時なんか、ほとんどがPPMかブラフォーみたいなのばっかしだったけど、今度はLong HairになってC.C.Rの曲なんかをやってた、というところなんかね。ゴシップだけど(ミーハーちゃんへ)PPMの最初のPの人、幼ない少女に変なことしてつかまったそうだね。彼ってわりと純なんだなあなんて思ったりしちゃった。
ロックグループじゃ、村八分なんていいね。ル窶煤Eブルバンなんてがんばってるみたい。俺たちさ
あ、へんにムードにこだわりすぎるんじゃないかしらね。ロックコンサートなんか、免罪符をもってな
きゃ許されないなんておかしいよ、解放もいいけど自由さを大事にしたいなあ。ドッチラケたっていい
わけよ。無理してなきゃ。
ところで昔の日本の歌にはいいものがあるねえ、終戦ごろのとかさ、大正のころのとか。今、俺たちがよく耳にする外国のブルースバンドがやってる曲もずっと昔のがほとんど、それも50縲鰀60才のおじんたちが「よわっちまったなあ、でも、いい時がくるさ」なんてやったのを若い人たちが懸命に耳を傾け演奏してるもの。 I can’t keep on Cryingとか、Spoonful なんてアンタッチャブルのローリング20時代の曲だよ、スゴイねえ。(なんでスゴイのか分んないけど)俺たち、フィーリング・フィーリングなんていって踊らされるのあきちゃったしさあ、自分のまわりからはじめようよ、自分自身の生活ってやつを。市電にのってスーパーマーケットをねりあるいて、ああスットントンとさあ。でも魚を買う気はしないね。キリスト教じゃいい印だそうだけど魚を食うってのは嫌なもんだな

272・結合

クラーク教師いわく、“少年よ大志を抱け”、望みを大きく抱こうというわけだ。過去、現在、未来のそれぞれのサウンドを一つにまとめようと出発したグループです。
取り上げる曲も、一つのジャンルにとらわれる事なく、何んでもやろうではないかという姿勢を見せています。結成後、まだ日が浅いので完成の域には程遠いのですが、古くさいサウンドや、ウェスタンのフレーズが出て来るので興味深いのではないかと思います。
メンバーは、ギター、大塚孝彦・音楽界へのデビューは、北上夜曲でその後、ウェスタン、フォーク、ベンチャーズ等を経て今日に到っている異色の老人。ベース、堀光彦、合唱団でバリトンを鍛え、ウェスタンを経て今日、結婚式場でシャッターを切っています。
ドラム、山崎実也、クラシックベースからウェスタン、フォーク等でベースを弾き、器用さが買われて、今回ドラムで登場、プロのレース・ドライバーです。


機関紙MOJOWEST 1971€5-30 表紙

(LP)6月25日発売(アトランティク・レーベル)
 8081A  前夜/スピード・グルー&シンキ
 A)1.ミスター・ウォーキング・ ドラッグストア・マン
   2.冷い女
   3.ストーンド・アウト
 B)1.悪人へ捧ぐ
   2.a)M グルー
     b)キープ・イット・クール
   3.滅亡の日
(Single)6月25日発売  1050A
 A)ミスター・ウォーキング・ドラッグストア・マン
 B)悪人へ捧ぐ

ルー&B29

最近、やたら、ロックとかブルースがはやって来ていろんなバンドが出来て来たけれど、持論日本でだが、音楽やっていて、自分達は何を言おうとして、やっているのか認識している者が非常に少ない。
簡単に言えば、まだ、かっこ良さを追求している様な者が多いのじゃないだろうか。一時の、いわゆるGS全盛時代のバンドが少し地味になっただけじゃないかと思う。
大体、ロックに、ニューもオールドもないと思う。今、現在のサウンドが、ロックじゃないだろうか。僕が、新しいバンドを組んだのも、一人一人のフィーリング(その具作的な対象はいろいろあると思うが)を大切にして、上手、下手の問題は二の次にして、力一杯ぶっつけ、各々の感情を極地に高めるまでプレイを続けていきたいからである。
まだ、メンバーも、組んで一ヶ月にも満たらないので、皆様に満足いく様なステージは出来ないかも知れない。
でもメンバーは必死で我々のブルースとロックに取り組んでいるし、先を楽しみにしていて下さい。今、私はオリジナルも作りかけているし、夏にはお聞かせ出来るでしょう。
ルー&B29、無縁仏の集まりの様なバンドですが、よろしく。
< ’71.5.11 ルー記 >

テリー・寺田の左機関紙原稿から、メッセージ的コピーを抜粋

テリーの当日ナンバー

  1. 人生のみなしご(歌詞の一部をハンク・ウイリア
    ムスのLost Highwayから盗作)
  2. 1+0(ガンジーの言葉より)
  3. カレン(三浦久の作品)
  4. 全てを失って(Bob DyIan)
  5. 旅心(Terry怨歌)
  6. その答は(Bob Dylan 1/2 盗作)
  7. 今歌うこと(Terryの処女作)
  8. コケイン・ブルース
    (トラディショナル・ブルースの替歌)

MOJO WEST 資料館 機関紙抜粋5/30西部講堂page3