PART1
地元・京都に住んでいるから
京都に帰ってくるのは当然
京都を代表するミュージシャン、といえば
「くるり」「つじあやの」、そして今回のインタビューにご登場する
「10-FEET」である。それぞれの音楽性やシーンは違っても、地元・京都を大切にしたいという思いは同じなのだろう。そして京都出身に限らず多くのミュージシャンが活動の拠点を東京に置く中、10-FEETは意外にも地元・京都在住である。
「いや、東京には2年間住んでたんですよ。でも東京で手に入れられるものは全て手に入れたって感じやったんでね」(TAK-UMA)
「オンナ以外の全てをね。ウソですけど(笑)」(NAOKI)
「東京に住んでるとせわしないし、京都にはフットサルのチームもあるし(笑)」(KOUICHI)
「それなんかカッコ悪いやんけ(笑)。まじめに話すと東京に住んでるときにアルバム1枚とシングル3枚を出したんですけど、もうレコーディングとツアーばっかりやったんですよね。東京生活の後半はほとんど家にいないし、もうこれなら京都戻っても変わらないかな、と」(TAKUMA)
年間約100本のライブを行うという徹底した現場主義であり、彼らのツアーの千秋楽となるのは京都という地元主義である。
「そうそう、たいがい京都はファイナル。なんなら実家まで10分くらいで帰れる場所でライブをするわけで、『ただいま~』っていう顔をしてライブができるんですよね。京都でやると勝手にファイナルの雰囲気になる(笑)。ロックには少ないけど、ブラックミュージックには『レペゼン(representが訛った言い回し)どこどこ』っていう地元を大事にする考えがあるじゃないですか? 10-FEETはレゲエだったりヒップホップなんかのブラックミュージックの要素も入っているんで、基本的な考えとして地元を大切にしたい、と」(TAKUMA)
ZEPP東京など2500人規模の会場を埋める集客力がありながら、数百人規模の京都のライブハウスでファイナルを迎える。きっとハコの規模は関係なく、地元に、家に、帰るのだから京都でやるのは当たり前という感覚なのだろう。
PROFILE
10-FEET てん・ふぃーと
'97年京都で結成。TAKUMA(Vo&Gt)、NAOKI(Ba&Vo)、KOUICHI(Dr&Cho)のスリーピースロックバンド。結成当初から精力的なライブ活動を徹底する現場主義。ライブでガツンとかまして、芸人的MCでココロを鷲掴みにするスタイルは京都でコツコツ活動していた頃に培われたもの。本人曰く
「友達になったら全員ライブに来てくれるやん(笑)。そうやって大きくなってきたバンドですわ」。これまで4枚のアルバム、9枚のシングル、3枚のDVDをリリース。
http://www.10-feet.com
PART2
根性ではカバーできず
無念のツアー中止に
5月から6月にかけて予定されていたツアー
「10-FEET "STONE COLD BREAK" TOUR 2007~どうしたい年!~」が、秋に延期されることとなった。原因はTAK-UMAの喉の病気だった。昨年末から悪化しつつも何とかライブを続けてきたが、
「輪状披裂関節の脱臼」「声帯結節」など気合いと根性ではどうしようもない状態に陥っていまったという。音程が上手くとれない、それはミュージシャンとしてヴォーカリストとして致命的な病気である。
「喋れるんですけど、歌うと全く安定しないんですよ。めちゃくちゃツライですね。ツアーができないからというより、ツアーを延期したことが。その選択肢というのは10-FEETとしてはあり得ないことだったので。チケットを買ってくれていたファンに対しては本当に申し訳ない気持ちで一杯ですよ。最低でも2カ月は休まないといけないんで。今、ぽっかり開いてしまった時間を確実に活かしていかないといけないなってずっと考えてますね。作曲なり練習するなり、身体を鍛えるなり、家でウイニングイレブンするとか…(笑)」(TAKUMA)
冗談まじりに聞こえても、その表情は明らかに曇ってみえた。これまで現場主義で走ってきた彼らにとって
「無念」以外の何でもないようだった。だが、この休養期間があるからこそ、次のステージに立つことができる。それは祇園祭・宵宵山の日。
PART3
京都初の野外ロックフェス開催
そして10-FEET復活ライブ
「FUJI ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JA-PAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」「RI-SING SUN ROCK FESTIVAL」「MONSTER baSH」「SETSTOCK」「ARABAKI ROCK FESTIVAL」など、日本を代表するフェスから地方のフェスまで、その大舞台を踏んできた彼らが主催者となって、今月15日、京都初となる野外ロックフェス
「京都大作戦2007~祇園祭とかぶってごめんな祭~」を開催する。
「京都でイベントをずっとやりたいなぁと思ってたんですよ。毎月恒例のイベントをやりたくても、自分たちのツアーやレコーディングばっかりで実行できていなかったんですよ。で、どうせやるなら規模の大きいものをやろうという話しが出てきたときに、京都に野外フェスというものが定着していないから、それを僕らの世代でできたらいいなぁ、というとこからですね」(TAKUMA)
出演するアーティストも普段から付き合いのある仲間で、TAKUMAが皆に声をかけてツレとみんなでお祭りをしようぜ、という感覚。そして無念のツアー中止となって以来、初のライブであり今年は結成10周年というメモリアルイヤーでもある。今、休養期間も含め全てが京都大作戦を照準に向けられている。
「いつか10-FEETというバンドがなくなっても、続いていくような『京都にこの野外フェスあり』みたいなもんにしていこうと思っているんで。それでいて音楽に興味がない人も楽しめるような祭りにしていきたいんですよ。京都の街の美味しいお酒、ご飯を出す店にも屋台で協力してもらって、みんなで京都大作戦をしようと思っているんで!」(TAKUMA)
「今回はツアーを飛ばしちゃって申し訳ないんですけど、京都大作戦で僕らを待っててくれたファンもストレスを発散してください!」(KOUICHI)
「京都大作戦は楽しいイベントになるのは間違いないんで、大成功させて次に繋がるようなイベントにしていきたいですね」(NAOKI)
インタビューの数日後、京都大作戦のチケット一般発売が始まった。チケットは即日ソールドアウト。残念ながら当日券の発売の予定はないとのことだが、幸運にもチケットを手に入れたファンは晴天の夏空の下、京都大作戦を、そして10-FEETの復活ライブを存分に楽しんでもらいたい。